長い間ご愛読頂きありがとうございました。
なんとなく自分の書き溜めた物をブログに書いてみようと思い書き始めましたが、
読者登録していただいたり コメント メッセージなどを頂いたりしているうちに嬉しくなってしまい、
最初はもっと短い内容だった物が どんどん長くなってしまいました。
また 書きたいと思いますが 次回はもう少し準備をしてからの方がいいかなと ちょっと反省しています。
長い間ご愛読頂きありがとうございました。
なんとなく自分の書き溜めた物をブログに書いてみようと思い書き始めましたが、
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最初はもっと短い内容だった物が どんどん長くなってしまいました。
また 書きたいと思いますが 次回はもう少し準備をしてからの方がいいかなと ちょっと反省しています。
その後も ごくたまに進ちゃんのマンションに行くだけだった。
広すぎて 落ち着かない・・ やっぱり私の部屋で会う方が多かった。
持ち物が大きすぎることが分かっても 進ちゃんの愛情は全く変わらないし、私も変わらなかった。
少し変わったのは 進ちゃんが大学を出て 2~3年ヨーロッパを旅して 絵を描いて歩いていたので
その時の話をしてくれるようになった事・・ 私はその旅の話を聞くのが好きで ねだっては話してもらうように
なっていた。
そして 8月私は帰省せず 進ちゃんとイギリスへ来た。
目的は、私の部屋にある進ちゃんの描いた絵の中のお城を訪れる為に・・・
「前回 実家から戻る時 あんなに悲しかったのに 進ちゃんとの旅行を選んだ自分はなんて薄情なんだろう」
そう言った私に・・・
「きっと聡美ちゃんは居場所を探していたんだね 自分が一番落ち着ける場所を探していたんだと思うよ。
それは住む場所だったり 建物だったり 一緒に住む相手だったり・・ 人だったら誰でも探し求める物
なんだろうね。
聡美ちゃんが僕の部屋では落ち着けないなら もう1つマンションを作ろうかな。」
進ちゃんは 良いことを言ってくれた後で あっけらかんと 大きな買い物の事を言う。
ロンドンから電車で2時間くらい 見渡す限りの野原を過ぎると目的のリーズ城に着いた。
進ちゃんの描いた絵より 明るくて眩しい・・・
「イギリスは夏が短いけど 太陽が出ている時間が長いからね 僕が描いたのは冬前だから少し暗い印象
かもね。」
城内を進ちゃんと歩いて 感動で時間を忘れて楽しんだ。
進ちゃんが言う通り 帰りの電車の中で夜の7時になっても 8時になっても まだ明るい。
「進ちゃん 夜なのに明るくて 暖かいね。」
「冬は午後3時くらいに もう夜だからね だからイギリス人は短い夏を思い切り楽しむんだよ。」
「そうなんだね 私も楽しもう 進ちゃんと・・ この暖かい日差しの中で。」
-完ー
「その・・ このマンションは僕の物で・・」
「賃貸じゃなくて 買ったってこと? それ位はもう驚かないよ。」
「そうじゃなくて・・・ この建物ごと僕の物で・・・」
「え? 大家さんてこと?」
「そういうことになるかな?」
(うそー)
「それで・・・終わり?」
「え・・・と あとは 聡美ちゃんの住んでいるマンションも僕の持ち物かな・・・」
(えーーー だから お風呂の入れ方とか 説明しなくても分かったんだ・・・)
「もう ない・・・・?」
「あとは・・・ 聡美ちゃんの部屋に前住んでいたのは・・・ 僕のなんだ・・・」
「うそ・・・ 」
もう 私は立ち上がれなくなっていた。
「なんで・・ 少しづつでいいから 言ってくれなかったの? そんな・・ こんなこと一度に言われても
何がなんだか理解できないよ。」
進ちゃんは私の前に座ると・・・
「聡美ちゃん・・・ 僕はただの小金持ちなんだよ 祖父や父が作った物をただ受け継いだだけで 何も驚く
ことはないんだ 聡美ちゃんになかなか言い出せなかったのは さっき姉さんが言ったように 僕はお金が
元で何度か女性に騙されている。
今 思えば 僕は彼女たちの気持ちが離れているのが分かっているのに 信じようとしていた・・・
彼女たちも最初は僕のことを好きだったのかもしれないけど 去る時はみんなお金と共に去って行ったよ。
だからもし 次に誰か好きになったら僕の持ち物じゃなくて 本質を好きになって欲しいと思って
絶対に最初から持ち物のことは言わないように決めてたんだ。」
しばらく黙っていた私もやっと息を吸って話せるようになった。
「そうか・・ 進ちゃん今まで黙ってるの 辛かったよね。」
「そうだね・・ 黙ってれば 黙っているほど・・ 聡美ちゃんには疑われるし・・・」
また しばらく沈黙が続いた後・・・
「少しづつ 教えてくれれば良かったのに・・・ お陰で腰が抜けちゃったよ」
「ごめんね 言わないのはいいけど 今度は言い出すタイミングを逃しちゃって・・・聡美ちゃん 外の空気吸う?」
進ちゃんは 私を立たせてくれると ベランダへ連れて行ってくれた。
外に出るとベランダにはジャグジーバスがある。
「もう 驚かないけど 本物だよね?」
「本物だよ 良かったら入る?」
笑えて物が言えないとは こんな時にも使えるんだろうか 私は力無く笑うだけだった・・・
空のジャグジーバスの淵に座って話をした。
「進ちゃん 私も先に進ちゃんの持ちのもの事を聞いていたら どうしていたかな・・・ びっくりして逃げたかも
お金を持って行く勇気はなかったと思うけど・・・ でも今は進ちゃんのことが大好きだし・・・
どうしたらいいんだろう・・・」
やっとボソボソと話した私に 進ちゃんはピンと背すじを伸ばして
「僕が持っているのは ただ祖父や父から受け継いだ物・・ ただそれだけだよ。
それを元に大きい事をやらかそうとも思っていないし 自分達の生活に支障が無いくらいで世の中に貢献
していけたらいいとも思っている だから聡美ちゃんも何も変わらなくていいんだよ。
いつものまま 笑顔でいてくれたら それでいいよ。」
私はそのまま うつむいて考えた・・ 考えたと言うよりは 進ちゃんの言った事を頭の中で繰り返した・・
それから・・・
「分かったよ 進ちゃんの気持ち・・ 私このままでいいんだね その代わり進ちゃんのために
いつも 笑っていられるようがんばるよ。」
「ありがとう」
それから 進ちゃんはポケットから小さい箱を取り出して 私の手に置いてくれた。
開けてみると あの時一緒に見たピンクダイヤモンドのリングと同じデザインの ずっと小さくなった物だった。
ありがとうと言う前に ・・つい
「高いんじゃないの?」 と聞いてしまった。
「あの時見たリングの10分の1位だよ。」
「それでも高いよ 私にはもったいないよ。」
「分かったよ 相談なしで買うのは今日までだよ これはがまんしてつけてくれる?」
進ちゃんに言われ指を通してみた・・
「わあ なんてきれいなんだろう・・ ありがとう進ちゃん。」
大きい扉が開いて 小柄だけど華やかな女の人が飛び出して来た。
「進次郎ー 遅かったじゃないのー 今か今かと待ってたのよー わあ聡美さんね なんてかわいらしいのー
初めまして進次郎の姉です さあ入って 入って おいしいケーキもあるのよ。」
突然飛び出して来た進ちゃんのお姉さんのあまりの勢いのよさに圧倒されて 私は建物の中に引きずりこまれ
たような感じだった。
靴も脱がないでリビングらしき部屋まで案内されたので お姉さんがケーキとお茶を運んでくるまで
(ここはきっと高級喫茶店なんだ)と思い込み 辺りを見回していた。
でも お姉さんの他に誰も出て来ないので ようやくここが進ちゃんの実家だと気づいた。
「聡美さん リラックスしてね 進次郎 あんたにしては 最高にかわいい子を連れてきたじゃないの。」
「そんな・・・」
「姉さん・・・」 進ちゃんと私 同時に声を出したけど お姉さんの話は続いた。
「聡美さん 進次郎ったらね 毎回女の子に騙されて 女性不信になっちゃったのよー もう一生 結婚できない
かと思ってたら こんなかわいい子連れてきて あんた意外とやるわねー。」
「姉さん もうそれくらいでいいよ。」 どうやら進ちゃんは お姉さんに頭が上がらないらしい・・
「それもそうよね それより聡美さんの話よね。」
お姉さんは 私には穏やかに話してくれる 私も安心して 実家の話やら今の勤め先の話をした。
実家の話しは 「うちは家族が少ないから」とおもしろがってくれて 興味深そうに聞いてくれた。
最後に
「本当に来てくれてありがとう 正式に帰国したら いつでも遊びにきて」 と言ってくれた。
「ごめんね びっくりしたでしょう 姉はガキ大将タイプで 僕とは正反対なんだ。」
「お姉さんは とっても思いやりのある人だけど・・・・ この家は何?」
「ああ この家は僕の祖父が建てたんだよ もう古いからどうしようかと思っていたら 姉が使うって・・・」
「進ちゃん そうじゃなくて・・・ この 大きさは・・ 何?」
「大きさは その元々この辺に土地を持っていただけなんだよ・・」
私にとっては 「そうですか」では終らない大きさなのに 進ちゃんは平然と
「車とってくるよ。」と私を玄関前で待たせて ガレージのある方へ走って行ってしまった。
(この建物の軽トラックか・・・)と思っていると 進ちゃんはピカピカの外車に乗って現れた。
進ちゃんは、車から降りて ドアを開けてくれたけど 私はすぐに乗れず・・・
「これ・・ 進ちゃんの車なの?」と聞いた
「そうだよ 最近乗ってないからホコリっぽいかもしれないけど」
私の中ではまた 「そうですか」では終われないけど 取り合えず車に乗った。
「久しぶりに 運転したなぁ エンジン調子いいみたいで良かった。」とあっけらかんとしている。
また あまり会話がなくなってしまったけど 今度は雰囲気が悪いでも進ちゃんの愛情を感じるでも
なんでもなく 私は何がなんだか分からずクラクラしているだけだった。
「ここだよ。」進ちゃんのアパートではなく・・・ 高級マンションに着くと ガレージには高級な車ばかり・・
「進ちゃん ここに車とめると 後ろの車出れないけどいいの?」
「うん それも僕の車だから大丈夫だよ。」 進ちゃんはサラッと言った
(うそーー)
「中はがんばって片付けたからね。」
エレベーターで5階まで上がると 一番奥が進ちゃんの部屋らしかった。
落ち着いて見ると 他の階は4~5部屋づつ部屋があったような気がするけど、5階にはドアが2つしかない。
「さあ どうぞ」と案内されると 物凄く広いリビングで中は2階になっている。
(うそーーー 一体今日何回目の うそー だろう。)
「ここが ぼくの部屋だよ 今までごめんね。」
(なに? 何なのこれ?) 広いリビングを見回すと 隅の方に絵があった。
しかも描いている途中・・・
「進ちゃん 絵描いてるの?」
「うん 今年に入ってからね 週末に少しづつだけど」
「これって 初めて二人で行った美術館の近くの風景?」
「そうだよ。」
私はじっくり絵を観た 観ていてふと思った
「この絵は・・ 進ちゃんが描いた絵なんだよね・・ リサイクルショップにある絵と似ているけど・・」
「実はあれも僕が描いたんだ・・・」
「じゃあもしかして 私の部屋にある絵も・・・」
「そうだよ・・・・」
私は 急に力が抜けヘナヘナと床へ座りこんでしまった。
「聡美ちゃん 大丈夫?」
「進ちゃんは ギャラリーのオーナーで リサイクルショップのオーナーで あの大きな家の持ち主で
軽トラックだけじゃなくて外車を何台も持っていて 私の部屋の絵を描いた人で・・・・他にも何かあるの?」
10時少し前 進ちゃんがわざわざ玄関まで迎えに来てくれた。
「おはよう 聡美ちゃん用意はできた?」 進ちゃんは、この間のディナーの時とは また違うスーツを着ている。
「おはよう」 (お姉さんに会うのにスーツ? お姉さん そんなに厳しいのかな?)
「進ちゃん こんな堂々とお迎えでいいの?」
「もう大丈夫 今日 聡美ちゃんは姉に会ってくれるんだ 正式な婚約者だよ。」
進ちゃんに そう言われると不信感が薄れていくけど
(イヤイヤもしかしたら まだ何か秘密があるかもしれないから 気をつけなくちゃ)
タクシーに乗り込むと私の勝手な疑心暗鬼のお陰で 会話も少なく ちょっと微妙なムードになってしまった。
(なんか気まずい感じどうしよう・・・・)
実家の事を聞かれても話は続かず なんとも言えない雰囲気のままギャラリーに到着した。
ここは進ちゃんが始めて連れてきてくれたギャラリーで あの《裸の男の人》の絵があった所だ・・・・
私達の姿を見つけると あの黒いスーツの上品そうなおじいさんが扉を開け
「いらっしゃい ぼっちゃん お待ちしておりましたよ。」
(ぼっちゃん? ぼっちゃんて誰? まさか進ちゃん?)
進ちゃんは、おじいさんに微笑みかけると 私の肩に軽く手をおいてギャラリーの中へ入って行った。
前回と違い お店のスタッフのような人も進ちゃんに親しげ挨拶をしている。
「あの 進ちゃん・・・ お知り合いだったの?」 進ちゃんが答えるより先に おじいさんが・・・・
「そうだったんですよ 前にいらした時は、ぼっちゃんが女の子を連れて行くからみんな知らないふりして下さい
なんておっしゃるものですから 私たちも演技するのが大変でございましたよ。」
そこで進ちゃんが 恥ずかしそうな表情で
「聡美ちゃん 彼がここのオーナーだよ。」 と紹介してくれた。
「いやですよ もうこの老いぼれは引退するので 今のオーナーは、ぼっちゃんです。」
(え? 今なんて・・・・・・?)
何がなんだか分からなくなってしまった私の様子を感じ取ってくれたのか オーナーがソファーに案内してくれて
紅茶を出してくれた。
「えーーっと 聡美ちゃん さっきオーナーが言った通り僕がここを買ったんだよ オーナーには跡継ぎが無くて
前から 声をかけてもらってたんだけど なかなか踏ん切りがつかなくて・・・
でも 聡美ちゃんと会って気持ちが動き始めたんだ。」
「そうなんですよ ぼっちゃんは、お小さい時から絵がお上手で 大学でもお勉強されましたよね その後
お父上が亡くなられた後は お店を継がれて絵どころではなくなってしまったようですが、
あなたにお会いして また絵への情熱が燃え始めたようなんですよ。」
私がポカーンとしているのを感じたのか 進ちゃんは
「早いけどランチにしようか?」 と席を立ち上がった。
帰り際オーナーが扉を開けながら
「聡美さん これからは遠慮なく遊びに来てくださいませよ。」
私はぎこちなく頭をさげ 進ちゃんの隣を歩いた。
何か聞きたいけど 何から聞いていいのか分からず しばらく考えてから
「進ちゃんは美大に行ってたってこと?」
「うん そうだよ でもあまり才能は無かったようでね 諦めて 全く関係のない会社に就職したんだけどね。」
「なんで 隠してたの?」
「隠してたわけじゃないんだよ 本当に店のことで頭がいっぱいで なかなか絵に時間を作ろうとしていなかった
のが本当のとこかな?」
「そうなんだね ギャラリー買ったって本当?」
「本当だよ 聡美ちゃん絵が好きでしょ だから僕もまた絵にかかわりたいなと思ってね。」
「でも そうとう高いんでしょ 進ちゃん借金ないって・・・」
「借金がないのは本当だよ 父が残してくれたお金があったんで その中から出したから大丈夫だよ。」
「そうだったんだ なんかびっくりしちゃって・・・・」
食事をしながら
「驚かせてごめんね 話はしようかと思ったんだけど その・・ まだ そんなこと相談しちゃあいけないかなと
思ってね もし結婚しているなら 買う前に話はしたよ。」
結婚と言う言葉が心にグッと来た・・・・
(進ちゃんは 私の立場を色々考えてくれたからこそ今まで言わなかっただけなんだ 絵に詳しい事にも納得
がいく・・・)
コーヒーが出てくるころには 私の頭もだいぶ整理できてきていた。
「だいぶ落ち着いたかな? そろそろ姉さんの所へ行こうか?」
私たちは またタクシーに乗り進ちゃんの実家へ向かった また今度も会話は少ないけど、ギャラリーに行く
前のような雰囲気ではなく 話をしなくても進ちゃんの愛情が伝わってくるようだった。
「ここでいいです。」 と進ちゃんがタクシーを止めた場所には
(え? 今度は美術館? )と思えるような建物が建っていた。
進ちゃんは その西洋風の美術館の方へ歩き出した 敷地も広くて まさに美術館かそうでなければ
高級隠れ家レストランだ。
「進ちゃん またレストラン? さっき食べたとこ・・・・」 言いかけたところで・・・・