僕は夢の中で夢を見ていた。過去に起こった出来事が幾つも連なり、寝ている僕の頭の中を次々と想い出が交差していた。





「ねぇ、今夜星見ない?」
「星?」
ある秋の帰り道だった。夏海からの突然の誘いだった。
「今夜かぁ・・・」
「ダメ?」
夏海は『お願い』の顔で僕を見た。
「うーん。」
僕は少し考えた。
「ダメ?」
「いいよ。何処で見るの?」
「うーん、学校の校庭に行かない?」
「学校かぁ、いいね。」
「じゃあ、決まりね。」
夏海の声が弾んでいた。
「うん。」
「夕御飯が食べ終わったら、メールして。」
「うん。わかったよ。」
歩きながら話しているうちに、夏海の家の近くについてしまった。夏海は立ち止まった。
「じゃあ、またね。」
夏海は手を振った。
「またね。」
僕は自転車に跨り、手を振った。僕は家へと向かった。


「ただいま。」
僕は元気良く言った。
「おかえり。」
母親がそう返した。僕は階段を上り部屋に行った。そして、制服から着替えた。着替えが終わると僕は、階段を下りリビングに行った。
「夕飯何?」
母親に訊いた。
「ハンバーグだよ。」
「ハンバーグかぁ。」
ハンバーグは僕の大好物だった。
「今日、何か良い事あったの?」
「えっ、どうして?」
僕は驚いた。
「何か元気が良かったから。」
「そう。」
僕は笑顔だった。
「今日、夕飯食べ終わったら、星を見に行ってくるね。」
「ふーん、何処に?」
「学校に行ってくるよ。」
「誰と?」
「夏海だけど。」
「夏海ちゃんね。」
「うん。」
僕は夕飯の準備を手伝った。しばらくすると、父親が帰ってきた。
「ただいま。」
「おかえり。」
父親は寝室に向かった。母親も寝室に行った。父親はスーツを着替え、リビングにやって来た。僕は椅子に座っていた。
「今日は、ハンバーグかぁ。おいしそうだな。」
父親が言った。父親もハンバーグが好きだった。父親と母親も椅子に座った。
「さぁ、食べましょうか。」
母親が言った。
「いただきます。」
食卓には言葉が飛び交い、そこには笑い声も響いていた。夕飯が食べ終わると、僕は夏海にメールをした。
“夕飯食べ終わったよ。”
すると、すぐに夏海からメールが返ってきた。
“そっかぁ、じゃあ七時半くらいに家に来て。”
“うん、わかった。”
僕から夏海の家までは自転車で十分くらいの所だった。僕は七時十五分に家を出た。自転車に乗り、ふと空を見上げるとそこにはいくつもの星が瞬いていた。僕は坂を下った。しばらくして、夏海の家が見えた。夏海の家の前に着くと、僕は呼び鈴を押した。
‘ピンポーン’
すぐに夏海が玄関から出てきた。夏海の両手には大きな荷物があった。
「お待たせ。」
「来たばかりだよ。」
「そうだね。」
夏海は笑った。
「荷物持つよ。」
「重いよ?」
「貸して。」
荷物は重かった。僕は夏海に自転車を預けた。
「自転車乗る?」
「ううん。」
「そっかぁ。じゃあ、置いて行っていいかな?」
「うん、いいよ。」
夏海は僕の自転車を庭の方に入れてくれた。その後すぐに、夏海は戻ってきた。荷物は重かった。
「行こうか?」
夏海が言った。
「うん。」
「荷物重たいでしょ?」
「思ったより、重いね。」
僕は正直に言ってしまった。
「エヘへ。」
「笑い事じゃないよ。」
「一緒に持とう。」
「うん。」
星空の下を僕と夏海は歩き、夜の学校へと向かった。
「この中身って何なの?」
「ん?秘密。」
「えっ、」
「着いてからのお楽しみね。」
「うん、わかったよ。」
「エヘへ」
僕は少しドキドキしていた。しばらくして、学校に着いた。校門の一角に小さなドアがあった。僕と夏海はそこから学校の中に入った。校庭に着くと、夏海が大きな荷物の中身を取り出した。中には天体望遠鏡が入っていた。僕と夏海は天体望遠鏡で夜空を見た。今日は雲もなく星がとてもキレイだった。夏海は僕にたくさんの星を教えてくれた。僕の知らない星の名前がいくつも出てきた。僕も実は星が好きだった。だけど、僕は夏の星には詳しかったが、他の季節の星はあまり詳しくなかった。楽しい時間もあっという間に過ぎていってしまった。夏海の携帯が鳴った。その相手は夏海のお母さんだった。
’もうそろそろ帰ってきなさい。’
きっとそんな内容の電話だろうと僕は思った。
「そろそろ帰ろうか?」
夏海がそう言った。
「うん。」
僕の予想は的中した。僕と夏海は天体望遠鏡を片付けた。そして、また二人で大きな荷物を持ち、家路についた。夏海は嬉しそうだった。すぐに夏海の家についてしまった。
「また、見に行こうね。」
夏海はそう言った。
「うん。」
僕は頷いた。玄関に大きな荷物を置き、夏海と一緒に庭に行った。そして、僕は自分の自転車を庭から出した。
「じゃあ、おやすみ。」
「おやすみ、また明日ね。」
「うん。」
僕は自転車を漕ぎ始め、夜に消えた。




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