電車は橋を渡ろうとしていた、僕は窓から外を眺めた。川の土手を走っている人がいた、僕はそれを見ていた。電車に揺られ一時間が経とうとしていた。電車を降りると、冷たい風が僕を向かえた。駅を出るとそれは、ビル風という事がわかった。春と言ってもまだ初春、此処には少しの寒さが残っていた。





また今年もこの日がやって来た。僕が一年の中で一番嫌いな日、そうバレンタインデーだ。去年も全く音もしなかった。やっぱり下駄箱には何も入っていなかった。教室に入ると、辺りは少しソワソワしていた。それは、この日独特の雰囲気であった。いつもと同じ時間に学校には着いたのだが、夏海の方が学校に着くのが早かった。いつもは、僕の方が少し早く学校に着いていた。でも、僕はたまに寝坊をしていたため、遅刻も何回かあった。その度に夏海からメールが来た。
“今日、休み?”
こんな感じのメールだった。僕は急いでいるためいつも返信をしなく、学校に着いてから。「ごめん、メール返せなかった。」
と謝っていた。


「おはよう。」
夏海が席に座ったまま僕に言った。
「おはよう。」
そう僕は返した。夏海は何処か落ち込んでいるように見えた。
‘誰かにふられたのかな?’
と僕は心の中で想った。でも、そんな事、夏海に聞けるはずがなかった。やはり今年も何もなかった。また一層、二月十四日が嫌いになった。僕はもてなかった。毎年その事を痛感させられていた。




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