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ノベリーの勝手に小説批評

小説大好きノベリーの独断と偏見に満ちた批評を、ご紹介します。

フランスでは17年ぶりに社会党大統領が誕生し、ギリシャでは総選挙で左派系野党などが躍進した。共に緊縮財政反対の勢力が勢いづくも、マーケットはそのことを嫌気し、主要各国の株価は軒並み続落している。欧州不安の再燃との見方から円高が再び進行し、日本経済への飛び火も不安視されている。そのような状況でも、野田首相は不退転の決意と銘打った消費税の引き上げに血道を上げ、民主党は小沢氏らの反対勢力により瓦解寸前である。このままでは日本という船が沈没するのも時間の問題だとの絶望が広がる中、皆さんいかがお過ごしでしょうか?ノベリーで~す(^^)

今回ご紹介するのは、伊坂幸太郎の「死神の精度」です。

この作品では死神が主人公です。
死神の仕事は人の最期を決定することですが、
そんな彼らにも葛藤があります。
死なせてしまうべきか否かで時には悩むのです…
と書くと、シリアスな内容に思われるかもしれませんが、
実際はユーモア溢れる作品です。

では今回の嘆息と感嘆です。


嘆息

脈絡もなくストーリーとは関係のないキャラクターが登場します。
これは伊坂作品の特徴のひとつなのですが、
彼の別の作品の登場人物が友情出演(?)します。
知っていれば驚きません。
知らないと、あのキャラクターはなんだったのだろうと、
最後まで悩むことになります。


感嘆



斬新です。
死神が一人称で物語を語ります。
彼を始め死神たちは、人間界の音楽をなぜか異様に気に入っています。
それでいて、人間に関するその他のことには全く興味がありません。
そのような彼らが引き起こすエピソードが退屈なはずありません。



主人公の死神と人間たちとのやりとりがユーモアたっぷりです。
彼は人の死など何とも思ってはいません。
ただの「仕事」と完全に割り切っています。
必死に生きようとする人間たちとの温度差が、
絶妙の会話を生み出します。



表向きは短編ですが、実は微妙に繋がっています。
これも伊坂作品の特徴です。
他の作家の短編では味わえないサプライズをご堪能下さい。


こんな方におすすめ

・欧州不安や日本の政局混迷で淀んだ気持ちを晴れやかにしたい方 
・生とは何か?死とは何か?といった堅いことは抜きで読書を楽しみたい方 
・死神を生業として考えている方 
  


死神の精度

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こんにちは。新入社員でもないのに五月病のノベリーです。

第二回の今回は、貴志裕介の「新世界より」をご紹介します。
この小説は、「ノベリーが読んだ本ランキング」で現在堂々の第二位です。

小説の舞台は千年後の日本で、
人々は超能力が使えるというSF小説です。

では今回も嘆息と感嘆を発表します。


嘆息

展開が遅いです。
作者のSFにかける強いこだわりからか、
その時代についてのしきたりや時代背景などの細かい描写が多いです。
特に前半は本筋とはあまり関係のないエピソードが続きます。
ただでさえ原稿用紙約2000枚の大作ですから、
物語が動き出すまでは辛抱が必要かもしれません。


感嘆



グロテスクです。
特に精神面でのグロテスクさを見事に描いています。
この作家は他の作品でも人間の負の部分を描いて評価されていますが、
その中でもグロテスクな描写にかけては、この作品が一番秀逸でしょう。
あまりのグロテスクさに嘆息が出る方もいるかもしれません。
しかしそれでも必見と言うべき完成度のグロテスクさです。



未来がリアルです。
SF小説というと大抵は夢のある未来が描かれるものです。
しかしこの小説で描かれている未来は、ただただ希望がありません。
その分、リアルに感じられます。
この小説で語られているような過程を本当に我々はたどっていくかもしれない。、
そのように思わせるだけの説得力が怖いほどあります。



この作家の別の特徴として、難読語や難解な慣用句が所々に登場します。
語彙を増やすには最適です。
本も楽しめて、語彙力もつく。一石二鳥ですね。
ちなみに各章のタイトルにも難読語が使われているのですが、
当時の私はほとんどの章のタイトルが読めなかったです。

こんな方におすすめ

・ 凍りつくほどのスリルを体験したい方
・ 千年後に起こりうる出来事を知りたい方
・ 「俺は劫火など恐れない剽悍な男だ(←作中の語句をもとにノベリーが創作」と言ってみたい方
  


 新世界より(上)

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記念すべき第一回目にご紹介する小説は、「竜馬がゆく」です。
初回から守りに入った感じですか?
確かに「竜馬がゆく」は司馬遼太郎の代表作であり、多くの方がすでに読了したか、していなくとも名前くらいは聞いたことがあると思います。

それでもあえて一回目にこの小説を持ってきたのには理由があります。
私は近代小説、そして古めの現代小説に対して偏見を抱いていました。
昔の小説はエンターテイメント性に欠ける。そう思っていました。
その偏見を見事に打ち砕いてくれたのが、「竜馬がゆく」なのです。

それではこの小説の批評を始めさせていただきます。
毎回、嘆息(悪い点)一つと感嘆(良い点)三つを挙げます。
なぜ嘆息が一に対して感嘆が三なのか?
特に理由はありません(笑)
このくらいのバランスがいいのではと勝手に考えただけです。

ではでは長い前置きはこのくらいで、まずは嘆息から。

嘆息

長いです。文庫で全八巻になります。
私が自力調べた結果、
ページ数は、   約 3500ページ(推計)。
原稿用紙でいうと、約 5500  枚(推計)。
文字数でいったら、約2,000,000 字(推計)。

それなりの時間と気力が必要となります。

感嘆



侍の潔さ。それを思う存分に体感できます。
幕末の侍は皆、死を覚悟しています。
切腹を命じられれば、いかに見事な切腹で最期を遂げられるかだけを考えます。
戦いで致命傷を負えば、迷わず自ら自害します。
そのような侍たちが次々と登場します。
小説なので、本来の姿よりも美化されてはいるでしょう。
でもそのようなことは問題ではありません。
当時やりたい放題だった列強からさえも恐れられた侍。
そんな彼らが、わずか150年ほど前に日本にはいた。
そう思うだけで誇らしい気持ちになれるでしょう。




坂本竜馬が魅力的です。
主人公だから当然でしょうか?
当時の人々に「日本人」という概念が希薄だった中、
竜馬だけは「日本人」として、国を一つにしたいと強く願います。
そして実際に行動します。
これも美化された部分は多少あるでしょう。
しかしそんなことを気にするのは野暮です。
ただ竜馬の人柄や先見の明、そして行動力に酔いしれて下さい。



学生時代に暗記させられた人物や出来事が、一気に蘇ります。
しかも文字だけだった彼らが、命を吹きこまれたように頭の中で躍動します。
単体だった出来事が、一つの線で結ばれていきます。
歴史は物語として覚えてこそ、記憶に残る。
この本を読めば、そのことに気付くでしょう。


こんな方におすすめ

・ 日本人としての自分に自信が持てない方
・ 幕末の歴史に詳しくなりたい方
・ 「好きな偉人は坂本竜馬です」と言ってみたい方

竜馬がゆく(1)新装版

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