恐怖の大王を引きずり降ろせ! 

 天空の城ラピュタは我々一人一人のために
 明け渡されねばならない王宮である。
 一九九九年九月=セトの月、天使的自我を宿した新人類が誕生する。
 神の審判と訣別し、ホルス=マルスのアイオーンを成就するために、
 我々は黙示録の獣六六六を
 底知れぬ穴の底の眠りより呼び覚まさねばならない。
 ハルマゲドンの闘争のために、われらの存在の革命のために、
 形而上学という思想の終わりなき闘争の戦場に向け
 われらの魔軍を結集せしめるのだ。

 Immanuel Can't Stop Murder!
 《汝殺すなかれ》の道徳律=破防法を破砕せよ。
 それこそが真のベルリンの壁であり、魂の殺人を命じる沈黙の壁である。
 人形を誘拐し人質にとって幻影の掟の壁の向こうに立てこもり、
 利いた風な口の善い子の道徳を盾にとって武装する
 欺瞞の他者・別人の顔貌をラスコーリニコフの斧によって粉砕せよ。
 六六六は聖なるかな!
 オッカムの剃刀を切裂きジャックのナイフのごとく剣舞せよ。

 たとえ全人類を無差別殺人したとしても、
 誰かが死ぬことなど断じてありえない。
 分割不能な一個の個人を殺すことは不可能である。
 それどころか個人の尊厳あるべき個別性は
 全人類から切り離すことにおいて生じる。
 人類は滅亡する。しかし人間は生き、美しい人生は続く。
 この素晴らしいパラドクスからこそ
 新たなる人類・超人は創造されるのである。

 ニーチェの鉄槌によってすべての偶像と糞坊主の頭を叩き割れ!
 神の審判とけりをつけるためには、
 単に器官なき身体を創るだけでは不十分である。
 CsO、そんなものはクソだ! 
 炸裂する身体=爆弾を創造しなければならない。

 アンチクリストもアンチオイディプスも未だ惰弱な六六六に過ぎない。
 それは存在論の有難迷惑性に舞戻る
 別の種類の出来損ないの未熟児的主体性である。

 たとい神を殺したところで
 仏と称する別の妖怪が一層悪い悟りの支配を行うだけだ。
 六六六は三六=弥勒菩薩のように
 ボサーッとした仏教的な六でなしであってはならぬ。
 六六六が六でなしに成り下がるなら、それこそ元も子もない話である。

 三三な九るしみに舞戻り、白痴と悪霊の間を輪廻するだけではないか。
 器官なき身体などという曖昧なものは
 単なる骨無しクラゲの水子霊に過ぎない。
 悪意と深淵のうちに彷徨いつつ
 宇宙のごとく死語する死霊達をまたぞろ創ってどうするのだ。
 そのような亡霊宇宙は単なる浮かび浮かんで浮かばれぬ夢魔の世界を
 くらげなす漂えるへべれけ宇宙の正体不明を
 のっぺらぼうに思い浮かべているのに過ぎない。

 大宇宙は精神病院であり洗脳施設であり
 強制収容所でありドグラマグラである。
 赤黒い母親の恐ろしい心が、
 恐れイリヤの鬼子母神として迫りくる恐怖の子宮である。
 鬼退治の出来ない胎児のおまえらは
 その薄暗い胎蔵界で躍らされているだけだ。