またひとつ | 不思議、大好き!

不思議、大好き!

文章はすべてフィクション。ほぼ1話完結。






いつか結婚して

子どもできたとしたら

~Every Little Thing/Rescue me~

またひとつ傷を負う。またひとつ胸が痛ませることが増えた。またひとつ消えない悲しみを抱えることになった。

またひとつ幸せのイメージのボトルを海に流すことになった。またひとつ思い出が永久凍土に埋もれていった。またひとつ…未来に禍根を残すことになった。

恋心は、昔は抱いた時点で正解であり、本物だと思っていた。でも、何度恋をしても、結局は間違いであり、幻想だった。昔とは違う、いや、昔より残酷でエデンの園のリンゴのように、嘘と驕りと矛盾に満ちている。

何年か何十年か後に、君が子どもに挟まれ、見たこともない笑顔を湛える君を僕は見ることになるんだろう。

歳をとるとはそういうことだと、また知ることになった。

またひとつ僕は選択を誤ったんだろう。またひとつ記憶の城の窓という窓に、真っ黒いカーンをかけることになるのだろう。またひとつ僕は自分の弱さを痛感し続けるんだろう。

またひとつ悲しみ。またひとつの悲しみ。またひとつの苦しみ。

僕は昔からそういう悲しみや苦しみを正対する性格だった。知らず知らずのうちに向き合っている。避けるとか逃げるとかできない。

どうにもならない運命に、本当にガンとも動かない僕の望まない道を歩むことに、精神が歪めるほどの苦痛を身に受け続けた過去。

胸が引き裂かれるような、とんでもない悲しみに、大量の涙を流し、それでも向き合い、あの手この手を尽くして毎日をやり過ごした去年。

そんなとき、僕は拳を握り、気がつくと、やっぱり闘っていた。

どうしようもない苦しみを抱えた過去、僕は自分を変えようと、ここで書いているように、文章を書くようになった。

大量の涙を流しながら、懸垂や鉄球を殴り続け、掌の小指の下や拳骨にはタコができ、身体はLサイズからXLサイズになった。

こうした変化は過去から決別するほど大きな変化にはならないけど、苦しみや悲しみに一矢報いた証になるのだろうか…分からない。

僕はとことん弱い。弱すぎる。いつも間違い後悔し、反省しても毎回間違い、心底自分の性根の弱さを感じ絶望する。

健康を代償にして、毎日をなんとかやり過ごす。

今も、今度も、僕はまた間違い、僕を本当に想ってくれる人は、遠くに行ってしまう。

でも…たぶんおそらく…僕はまたひとつ強さを見つけて…日々それを磨いていくのだろう…きっと。