ビビルマン | NBO69~1周回って逆に良し~

ビビルマン

バク宙失敗して頭から落ちて、そこに膝が落ちてきて、鼻に当たった。


はなぢが出た。


10年ぶりくらいかしら、はなぢ。


自分は鼻の粘膜弱くて、よく鼻づまりになるくせに、鼻血はめったに出ないのだ。




・・・そんなことはどうでもいいのだ。



バク宙、補助の人が付いていたからよかったものの、付いていなかったら死んでた。首が変な方向に曲がって死んでた。くにゃ・・・って。



前にも頭から落ちていて、その後しばらく練習してなかったら、まったく出来なくなってしまったのだ。


怖いのだ。


足が地面から離れた瞬間、体が硬直してしまう。


頭では覚悟を決めて跳んだつもりでも、体が恐怖を克服していない。


もともとビビリだから、失敗のイメージが焼きついてしまうと、もう大変。


ただのビビリでは済まなくなる。そりゃもう、ビビルマンになっちゃう。ビビルチェーンジ!・・・してしまう。


もちろんビビルチョップはパンチ力である。






ただのビビリだけじゃなく、イップスみたいなのもあると思う。



もともとスポーツに関しては、自分はそういう傾向が強い。


例えばサッカーをしていると、ボールを持った瞬間頭が真っ白になったり、ゴール前1メートルのところからのシュートを外したり・・・ってことがよくあった。


バスケをすればフリースロー20本連続で外したりした。



子どもの頃、「運動神経いいグループ」に属していた人にはわからないと思うが、スポーツできないというレッテルを貼られるということは、小中学の男子にとっては、「お前はクラスにいる価値が無い」と常に言われているようなものなのである。


開き直って・・・あるいは最初から自意識の薄いやつで・・・オタクグループに入ってしまえるようなやつは楽である。


しかし自分のように無駄に男の子らしい男の子・・・強さに憧れるような男の子にとっては地獄である。


どんなに勉強できても、工作がうまくても、そんなこと関係無い。サッカーが下手、バスケが下手、野球が下手・・・・・・イコールダサい。これでおしまいである。


だからたまに自分にボールが回ってきちゃったりすると、「パスしろ」という声がすぐに聞こえてくる。「お前はシュートを打つな」ということである。


焦りと屈辱と恐怖で頭が真っ白になる。


そのうち声が無くても、ボールを持っただけでそうなるようになる。


それが物心ついた幼稚園の頃から、高校まで続くと思ってほしい(高校でさえ、運動神経が悪いと日々辛酸を舐めなければならない。オタクに走るか笑いに走るか・・・それが無理なら居場所は無い)。


15年間分の壁がそこにある。



初めてバク転やって・・・できちゃった時は、その壁が壊れてなくなったかと、思った。


しかし、何度かやるうちに、怖さがわかった。わかってしまった。


15年分は伊達ではない。一度失敗したら、もう自分に自信が持てない。




本当は自分は運動神経悪くないのである。それは知っている。本当に悪かったら、いきなりバク転やらハンドスプリングやら、できるわけがないのだ。


しかしちょっとでも自信が揺らぐと、そのちょっとの亀裂から不安がなだれ込んでくる。


そしてビビルマンに変身するのだ。「ビ・ビール!」って。


もちろんビビルイヤーは地獄耳である。



・・・あ、なんかもうまとめるのがめんどい。終わり。