日曜日に行われた全国高校駅伝、まずは男子のほうの感想から。
上位の結果は以下のようになりました。
1位 世羅(広島)
2位 仙台育英(宮城)
3位 洛南(京都)
4位 倉敷(岡山)
5位 佐久長聖(長野)
6位 九州学院(熊本)
7位 須磨学園(兵庫)
8位 大牟田(福岡)
今年の高校男子長距離界はコロナ禍による競技会の中断期間があったにもかかわらず、
これまでの12人を大幅に上回る、22人もの日本人選手が高校生としては超一流と言われる5千m13分台の記録を叩き出しており、
大会記録(2時間01分18秒)の更新はもちろん、夢の1時間台突入もあるのではないかと期待されました。
しかし、すでにもう昨年の大会の時点で8位入賞のラインが2時間8分台から2分台へと驚愕の伸びを見せるなど、
高速化の巨大な波は押し寄せ済みでありましたので、さすがに今年さらに記録が縮まることはありませんでしたが、
優勝した世羅高校は自らが持つ2015年の大会記録に13秒と迫る好タイムで5年ぶり10度目の優勝を飾りました。
今年高校記録を2度更新した東農大二高の石田洸介選手、
前年までの高校記録を上回る歴代2位の記録を出した佐久長聖高の伊藤大志選手、
そして昨年2年生ながら1区3位に入り、5千mのタイムも高校歴代6位まで伸ばしてきた九州学院高の鶴川正也選手、
この3強が軸になっていくと思われましたが、まず競技場手前から飛び出したのが石田選手。
日本人区間記録を上回る快調なペースで単独走を続けましたが、5km過ぎに集団に吸収され、その後に脱落。
チームとして優勝を狙うためには自らが大量リードを奪わなければならないという力みもあったでしょうし、
今月4日の日本選手権を直前で回避するなど、そもそもの体調が万全でなかったようです。
残り3km辺りから、前半から動きの良かった浜松商・尾崎健斗選手、洛南・若林宏樹選手、そして九学・鶴川選手の3人に区間賞争いは絞り込まれ、
昨年は早仕掛けで失敗した鶴川選手がいったんペースを緩めて後ろに下がって勝機をうかがい、
残り500mでタイミングよくスパートをかけて一気に抜け出すクレバーな走りで見事に区間賞を獲得。
九州学院の1区区間賞は2011年の久保田和真さん以来2人目。
鶴川選手はその久保田さんと同じく来季からは青学大へ進学するそうで、大学駅伝でも久保田級の活躍を期待したいものであります。