「関税なくせば輸出が伸びる」のウソ

輸出入に関わる税金が「関税」。

参加国の間で、これを全部無くしてしまおう
というの がTPPの基本だ。

TPP推進派は、関税をなくせば、
輸出先での値段が安くなり、
日本の工業製品が売りやすくなる、と言っている。

でもホントにそうかな?

たとえば、
アメリカが日本のテレビを輸入するとき、
そ こにかかる税金は0~5%、
自動車の場合は2.5%

仮に1ドル100円のときに
日本で100万円の自動車があるとする。
100万円=1万ドル、関税の2.5%を足すと、
1万250ドルになる。
それが関税をなくせば1万ドル。
なんだか、たいした違いじゃないような気もするね。
でも少しでも安くなれば多少は売りやすくなるかな。

でも、円高になったらどうなるだろう?

1ドル90円になれば、
100万円=1万1111ドル。
おやおや、関税がなくなっても、
円高になると、売値は高くなっちゃうぞ。

つまり現代では、関税が既に結構低いので、
製品の売り やすさにはあまり関係しないんだ。

それより為替、つまり円がドルや他の通貨と比べて、
高 いか安いかのほうが、ずっと大きな問題なんだよ。
円高になると、どうしても輸出品は売りにくくなる。

だから、関税をなくしたからと言って、

工業製品が売りやすくなる、

っていうのは大きな勘違いだ。

今韓国製品の売れ行きがいいのは、

韓国の通貨ウォンが 下落しているから。

2008年9月以降、ウォンが40%も下落したため、
いつも4割引セールをやっているようなものなんだ。