野うさぎの住みかからこんにちは^^
すっかり暦の話ばかりになっております。
これでは何屋さんかわかりませんね(笑)
今日は石場建ての家を見学してきたお話を
したいと思います。
少し前になりますが
水野設計室さんと
各務工務店さんのお仕事である
住宅の構造見学会がありました。
石場建の家とはいったいなんでしょうか?
たぶんわかる方の方が少ないのではないでしょうか。
水野設計室さんよりお借りしました
木造住宅の
伝統的構法の一つの特徴である
基礎石の上に建物を乗せただけの
方法を「石場建て」といいます。
写真をみるとわかるかと思いますが
柱が基礎石の上に直接立っていまして
基礎と柱は緊結されていません。
第二次大戦が終わる頃までの
日本家屋はほとんどがこの石場建てでしたが、
1950年に建築基準法が施行されてから
基礎と土台をアンカーボルトで緊結する旨の
基準ができたために
今ではほとんど目にすることがなくなりました。
私もご多分に漏れず
この構法の建物とかかわったことはありません。
伝統的構法とは
しっかりとした定義があるわけではないのですが
構造、風土、使い勝手など
自然の恵みと地域ごとの気候にそった
日本古来からの先人たちの知恵と技術の塊だと
考えています。
ボルトや金物を使わないで
柱梁などの構造材となる木材同士が
めり込むことでしなやかな構造体を造る
「仕口」「継手」も
伝統的構法の特徴のひとつです。
建築基準法を始めとした
今の社会の仕組みの中で
いろいろな制約はあるのですが
それでも必要なプロセスを経ていけば
このように伝統的構法の家を
合法で建てることは可能なのです。
このあたりのお話は
水野さんのブログ
をぜひ読んでみてください。
水野さんの考察の鋭さとやわらかな視点で
とても丁寧にわかりやすくお話しされています。
建て方(上棟)直後の構造があらわになった姿を
見せていただいたのですが、
その力強いたたずまいに圧倒されました。
いったいここまでにどれだけの力が
かけられているのだろうか。
構造体の美しいこと。
ものの見事に自然素材しかありません。
建築士の水野さんと
工務店親方の各務さんの協力関係の素晴らしさが
おふたりや大工さんのお話を聞いていて
ひしひしと伝わってきました。
水野さんは
先祖代々のまさに伝統的構法の家に住まれながら
仕事で伝統的構法の家に
取り組まれたのは初めてだそうで
各務さんは
先祖代々棟梁さんの家に生まれ
当たり前のように伝統的構法を継がれ
それだけでなく一級建築士でもあり
いろんな角度からご自分のやっておられる仕事を
幅広く捉えておられるそうです。
水野さんは設計の立場で
各務さんは施工の立場で
それぞれの役割を積極的に果たしていく
この家を仕上げるためには
本当に必要以上の負荷がかかっていますが
だからこそか、
とても清々しく
気持ちのよい空気が家の中に流れていました。
壁となるところに網目状に竹が組まれています。
これはご存知の方もおられると思いますが
竹小舞といって、荒壁の芯材です。
ここにに発酵させた土を塗って
さらに土を塗り重ねていきます。
小舞竹の束
石場建ての様子がよくわかりますね。
本当に乗ってるだけなんです。
だから建物には重さがあることが
重要になってきます。
伝統的構法の構造体は木材を多用しますので
この家では7トンあるそうです。
そして
実は瓦屋根が
重要な役割を果たしているのです。
木組みの構造体は仕口継手でしなやかさを保ち
足元をあえて緊結しないことと
屋根を重たくすることは対の関係なのです。
しなやかな身体を
重たい頭でしっかりおさえることで
身体を揺らしながら
かつ揺れすぎないようにして
どこかに力が集中しないように
揺れを逃がすのですね。
身体が固いとけがをしやすく
身体が柔らかいとけがをしにくいのと
同じ原理です。
これは地震に対する知恵なのです。
伝統的構法は
地震に耐える「耐震構造」ではなく
地震に対応する「対震構造」である
という表現をされている方もおられます。
特に阪神大震災以降、
瓦屋根は
地震に対して危惧されているところがありますが
実は戦後の構造基準の変遷によって
ひずみが生まれているような
ところも大いにあるのではないだろうか。
このあたりのことも
今の時代にある私たちが
どう捉えなおしていくのか
検討していく必要があると考えています。
なにより
自然災害は人知の及ぶところではない力が
働くものであるということを
私たちは真摯に受け止める必要があるとも
思っています。
この見学会の4日後に
熊本の地震が起きました。
水野さんは熊本へ支援活動に行かれたそうです。
http://www.house.gs/2016/05/kumamoto1.html
支援先の古川設計室・古川保さんは
以前から伝統的構法を手がけておられますが
被災されながら
伝統的構法の家の被災状況などを
Facebookで発信し続けておられます。
https://www.facebook.com/tamotsu.furukawa.9
非常に貴重な情報となっています。
ぜひご覧になってみてください。
最後に。
私が勝手に思っている
石場建ての最大の特徴といえば
「縁の下」があることです。
向こうの庭が見通せるんです!
個人的にとても感動しました(笑)
「縁の下の力持ち」って
子供の頃からよく聞かされてきましたが
いっぱいいますね(笑) 力持ちさんが。
縁の下の話って昔話にたくさんありますし
なんだか不思議な場所だなと思ってましたが
いかがでしょうか^^
このお家のお施主さんは縁の下がある家がいい
と強く思われていたそうです。
どんなエピソードが生まれてくるのか
想像するだけでも楽しくなってきます^^
この縁の下があることは
シロアリ対策にとても有効であることも
お伝えしておきます。
シロアリは光と風通しのよいところでは
存在することができないのです。
以上とっても貴重な
石場建ての家見学会。
次は7月3日に開かれるそうです。
http://www.house.gs/2016/05/ishibadate-kengaku2.html
ぜひ先人たちの知恵の力強さを
見てみてください。




