29歳処女の変貌(3)
デート当日横浜の駅前で待ち合わせた。
小百合のほうが早くに待ち合わせ場所に着いていた。
子供の頃遠足の前夜眠れないのと同じように、小百合も眠れずにいた。
待ち合わせ時間が少し過ぎたその時、遠くのほうから走ってくる直人が目に入った。
写メで確認をしているので、慌てて走ってくるこの男が直人だとすぐにわかった。
「遅れてごめん…小百合さん」
慌てて汗をかきながら微笑んだ直人は小百合にとってどんなアイドルよりも素敵に見えた。
会う前から恋に落ちてる小百合はボーっと直人を見つめた。
それと同時に自分の容姿に自信のない小百合は直人にどう思われるか不安で一杯だった。
この日の為に洋服を買い揃え、いつもはしないバッチリメイク。
直人は言った
「こんにちは、はじめまして。写メと雰囲気違うね。お化粧のせいかな?」
「変ですか?」
「いや小百合さんは小百合さんです。
でもお化粧してない女性のほうが僕は好みかな…って小百合さんは素敵ですよ。」
照れた笑いが眩しかった。
この日はごくごく普通にデートして楽しい時間を過ごした。
普通といっても小百合には人生初デートだが…
小百合が年上だって事もあり、直人がフリーターということもあって
この日のデート代は全て小百合が支払った。
夕食を終え、夜の公園で手を繋いで歩いた。
そしてファーストキス楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
小百合にとって人生最大のイベントのこの日は大成功で終わった。
家に帰ってから直人からメールが来た。
「今日はありがとう。とっても楽しかったです。ご馳走様。直人」
嬉しかった。そしてますます直人を好きになった。
「また会いたい…私直人君のこと好きです」
「ありがとう」
このメールのやり取りが最後で直人から返事が来なくなった。