手術から4、5日経つと、あれだけ鮮明に見えて
煩わしかった幻覚が見えなくなってきた。
人間ワガママなもので見えなくなってくると、
何だかそれはそれで少し寂しい。。。
でも、そんな話を看護師さんにすると
「現実世界へおかえりなさい」
と言われた。そうね。ちゃんと帰れて良かった。
「ただいま。私の世界」
私が幻覚を見るときは両目をつむっている時
だけなので、目の前に見えている幻覚を
絵に描こうと、片目を少しでも開けると
消えてしまうんだよね。。。
それをちょっと不便とも思ったけれど。
リハビリの先生が言うには、
中には目を開けていても
幻覚が見えてしまう
患者さんもいるらしい。
それは、ちょっと怖いよね。何処までが
現実なのかわからなくなっちゃうよね。
名前と生年月日を教えてください。
今いる、ここはどこですか?
今日は何月何日ですか?
せん妄という症状が出ていないかのチェックで
ICUで、幾度となく確認された質問。
せん妄は、一過性の認知症のようなものらしい。
せん妄で見られる状態像
- ボンヤリしていたり朦朧としている
- 言うことのつじつまが合わずおかしなこと訴える
- 物忘れがひどくボケたように見える
- 夜眠らず興奮したり、昼夜逆転になっている
- 症状が変動しやすく夜間不安定になることが多い
- 点滴や管を自分で抜いてしまい安静が保てない
せん妄予防としては、普段の生活に
近づけることが大事とも言われて、
私が入院した病院ではスマホを触ることを
禁止するどころかむしろ推奨していた。
ダンさんにはラインで逐一、体調や
次の面会で持ってきて欲しいものを
自分で連絡するようにしていた。
せん妄にならないためには
日記をつけるのも効果的だとの話だった。
ダンさんに自由帳を持ってきてもらってから
日記は毎日つけるよう心掛けた。
ICUでは時々、大声を出したり
ベッドから降りようとしたり
点滴をはずそうとしたりする
患者さんがいたみたいだったけど・・・
そっちの世界の住人だったのかなぁ?
一歩間違えば私も幻覚の世界に捕らわれて
現実の世界を受け入れられなくて
暴れたりしていたのかもしれない。
本当に紙一重だったと思う。
つづく