中国の古典に【易経(えききょう)】というものがあります。

 

同じ四書五経である【論語】の著者・孔子が

人生をかけてまとめた【易経】

 

この【易経】には64種類のストーリーがあり、

辛いとき、迷ったとき、絶好調なとき、昇りつめたとき

うまくいかないとき、うまくいったときに役立つ教えや

大切な心構えが書かれています。

 

つまり64の成功へのストーリ―が示されているのです。

 

今でも、【易経】を人生の書として愛読する経営者も多く

渋沢栄一や、勝海舟、佐久間象山なども学んでいました。

海外ではユング、ダヴィンチ、ライプニッツという人々も

【易経】に親しんでいました。

 

これだけ長い期間、時代が変化し、技術は変わり、

生活が変わっても、【易経】に書かれている教えは

今も変わることなく不変の真理として我々に進む道を

示してくれます。

 

変わっていく時代や人々の中に

変わらない不変の教えが詰まっているのが【易経】です。

 

ここでは、そんな【易経】について話していきます。

 

 

今日の【易経】の教えは

「【動かない】という積極性」です。

 

動かないのに積極的???

 

易経の64のストーリーの中に

【艮為山(ごんいさん)】という卦があります。

 

艮(ごん)は「とどまって動かない」の意味。

この卦は、動に対する静を考慮すべきことを暗示しています。

 

どんな活動家でも、一日に一回は眠ります。

眠ることは絶対に欠かせません。

それは消極的なのではなく、

より積極的に行動するためにも必要なことです。

 

遅くまで長時間働き、ろくに寝ないままで

次の日の仕事や会議に臨むよりは

 

いっそ早く寝てしまって頭をリフレッシュし

早起きして準備し、会議に臨むという方が

うまくいったりします。

 

私も、塾講師時代、次の日の授業があるからと

遅くまで資料づくりに励んだにもかかわらず

実際に授業をすると寝不足のためか、

頭がまわらず満足のいく授業ができなかったことがありました。

 

逆に、「一度寝て、すっきりしてからまとめよう」と

仕事を早めに切り上げて短い時間でも寝た方が

効率も上がったのでした。

 

 

潜在意識の大家であるマーフィー博士は言います

 

「あなたの心を静めることは、あなた自身の理性や感情がいま自分の内に向かうことが必要だからである。そうすることであなたには、あなた自身が見えてくる。そしてあなたは静かな心で、自分に期待しなければいけない。この種の期待はあらゆる行動の中でもっとも効果のある行動なのだ。」

 

 

ここで言う「期待」とは、想像力を発揮するということです。

 

忙しく身体を動かしていたり、

状況に反応するだけでは、

想像力を発揮したり、

じっくり考えることはできません

 

この想像力の発揮こそが大切で

アインシュタインも

「想像力は知識よりも大切である」と言っています。

 

 

あれもやらなきゃ、これもやらなきゃという心の状態では、自分が本当に望むものや、大切なものを見失いがちです

 

 

積極的に動かないという智慧

積極的に休むという工夫

 

休むこと、動いていないことは怠けているのではなく

 

積極的な想像力を働かせているのだという考えをもてば

 

自分自身に対しても

まわりの人に対しても

少し見方が変わるかもしれません。

 

 

消費への購買意欲を掻き立てる

TV番組やCMやニュース、

仮想通貨のブームや、不動産のバブル、

年金のニュースなどに心を踊らされ

手を出してみたり、動き回るのではなく

 

それらを踏まえて今の自分に何が大切かを考えて、

【期待する未来は何か】をじっくり細かく想像していくこと

 

それが自分への期待を高め

好ましい未来へとつながっていきます。

 

 

今日の易の卦は【艮為山】(ごんいさん)

佐久間象山が最も愛した卦と言われています。

 

 

 

今日も素敵な一日をクローバー