★うろえこQ【番外編】15日目
◆予防原則をどう活かすか?
ある合成化学物質が全部ダメ
というのは極論すぎるでしょう。
しかし、合成化学物質の多くは、
急性の毒性についてはチェック
されているものの、
「慢性毒性や環境ホルモンとして
振る舞うかどうか」
については、ほとんど分かって
いません。
ここに「予防原則」を適用すると、
「安全が確認されていないものは
使うべきではない」
ということができます。
とは言え、これまでに市場に出て
いる合成化学物質は10万種類
以上もあるといわれていますが、
「これらをただちに廃止しなさい」
といっても現実的ではありません。
一方、「環境ホルモンなどの疑い
がある化学物質」を使い続ける
ことで、地球の生態系が崩壊する
可能性も否定できません。
当分、論争が続くと思われます。
これからも関連業界などから、
「まだ因果関係が特定されて
いない」
とか
「調査の数が少ないので、結論を
急ぐべきでない」
という意見が出てくるでしょう。
しかし
水俣病や薬害エイズのように、
因果関係が特定されるのは、
いつも多くの犠牲者が出た後
であることを忘れてはなりません。
ひょっとしたら、その犠牲者は
自分かもしれないし、我が子や
孫かもしれません。
他人ごとではないのです。
しかも、環境ホルモンなどによる
犠牲者のすべてを数えることは
できません。
今まで生きていた人が環境ホル
モンのために死んだというのなら、
かなり正確な数が分かりますが、
環境ホルモンの間接的な影響で
生まれてこなかった生命は犠牲
者として数えようがない
からです
やはり、今私たちにとって大切な
ことは、環境ホルモンや合成化学
物質の現実と未来に対する脅威を
認めることだと思います。
ただし、結論を急ぎすぎて「本当の
原因」を見逃してしまうことは避け
なければなりません。
水俣病のときも、初めはマンガンが
疑われたのですが、もしここで結論
を急いで出していたら
「有機水銀という本当の原因」
を見逃してしまっていたかもしれ
ません。
◆最悪の事態を避けるために
今日は、合成化学物質を例として
取り上げました。
当然、環境問題はさらに分かって
いないことが多く、最先端の科学
者でさえ明確な答えを出すことが
できません。
範囲が広すぎて、また相互関係が
複雑すぎて、科学だけでとうてい
解決できるものではありません。
とは言え、(地球)環境問題のカラ
クリについては、自然科学の成果
なしに理解できるものではありま
せん。
今後の更なる進化・発展を期待
したいと思います。
ところで私たち一般人は、科学の
進化・発展を黙って見ているわけ
にはいきません。
科学で解明されようとされまいと
「最悪のシナリオを避けるための
実践」を続けなければなりません。
これからも科学者(研究者)から
様々な仮説が発表されるはず
ですが、
「もしそれが間違っていたらどんな
リスク(良くないこと)が発生するか」
を検討し、より大きなリスクを回避
する行動をとる必要があると思い
ます。
これが「予防原則」でしたね。
私は、少し表現が難しいかも知れ
ませんが
「仮説が間違っていた場合に、
より大きな悪影響が出る方を
避ける行動を選択する」
ことにしています。
例えば、
「温暖化が起こっている」
と
「温暖化は起こっていない」
という2つの仮説があった場合、
「温暖化が起こっている」という
仮説を選択し、それを避ける
ために行動します。
「温暖化が起こっていない」という
仮説が間違っていたとすると、取り
返しのつかないことになるからです。
そして、実際も「温暖化は起こって
いて、それは人為的なものである」
という仮説に基づいて行動して
います。
ませんが
「仮説が間違っていた場合に、
より大きな悪影響が出る方を
避ける行動を選択する」
ことにしています。
例えば、
「温暖化が起こっている」
と
「温暖化は起こっていない」
という2つの仮説があった場合、
「温暖化が起こっている」という
仮説を選択し、それを避ける
ために行動します。
「温暖化が起こっていない」という
仮説が間違っていたとすると、取り
返しのつかないことになるからです。
そして、実際も「温暖化は起こって
いて、それは人為的なものである」
という仮説に基づいて行動して
います。
付け加えると、
「議論に勝った方が正しいとは
限らない」、
「多数派が正しいとは限らない」
ということも、常に意識する必要が
あると思います。
次回は、「カサンドラのジレンマ」と
いう概念について書きたいと思います。