本日の東京新聞には東京電力福島第一原発事故に関する政府事故調の公開文書の要約がかなりの紙面を割いて掲載されていました。政府事故調の文書の公開が今頃という問題は大きな問題ですが、現在、大手新聞社をはじめとするメディアが取りざたしている内容が朝日新聞のずさんな記事とその謝罪に関してばかりであることも大きな問題です。


 朝日新聞の記事よりも公開された事故調の聞き取り調査の内容の方がとても重要であることは明らかです。その中身を検証することをなおざりにして、保身のため、点数稼ぎの為にライバル会社をスポイルすることばかりに血道をあげているマスコミに益々嫌気がさしてきました。東京新聞では事故調の要約を紙面を割いて掲載し、我々市民に考えるための材料を提供してくれています。ここは冷静に調査内容を読み解く必要があります。


 吉田所長と菅直人首相の発言さらに当時政府であった民主党議員や内閣の要職にあった人たちの発言を注意深く読み解く必要があります。その中で現在感じていることは原発では一旦事故が起こればすべてを把握しているはずの所長でさえ、パニックに陥り、重大な間違いを犯すということです。さらに現場と本社の断絶は大企業にありがちなシステム障害であり、日本が無くなるほどの重大事象が起きている最中でも意思の疎通は難しく、官邸までも混乱させてしまうということが実証されました。


 このような事実を今まで隠し通し、その間に原発の再稼働を図ろうとする現政権の無責任ぶりは目に余るものがあります。もとを糺せば原発の推進、安全神話の確立は自民党が作り上げたものであります。その点も目をつむってしまうマスメディアの論調には寒気さえ感じてしまいます。原発を推進してきた自民党がこの事故調査の結果を真摯に受け止め、反省をしたうえで新たなエネルギー政策を打ち出すのならば、政治と政策に対する信頼回復につながるでしょうが、現状は原子力ムラの維持と利権構造の維持発展だけしか考えていないことは明らかです。


 東電はもちろん政治家も官僚もその組織を維持し、利権構造を確保し、さらに復興予算までもでっち上げて、この国の住民を食い物にしています。そのことに気づきもせずに威勢の良い太古の思想である攘夷の思想を持つ現政権に心酔する愚かな国民が少なからずいることに我が国の教育(教養)レベルの低さを痛感させられます。


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