難という字は火矢で鳥を射る形。火矢で鳥を射るのはおにやらいの儀礼と関係があり、古くは鳥を使-う占いとして行なわれたという。 鳥を驚かしなやますから「むずかしい,かたい」の意味となったと いう。 難と言えば、仏教の誓いのことばの冒頭、「人身受け難し」とある。人 としてこの世に身を受-けるのはむずかしいという 。むずかしさの成就は 喜びである。誓いのことばは 、「今すでに受く」と 続き、すなわち、人としてこの世にあることはこのうえない喜びであるという意味になる。明右さんまという芸人さんが「生きてるだけでまるもうけ」と言われるのはこのこころか。人として今この世に あることが、どれ程むずかしいことであったのかという感覚をまずはいただけなければ、人としての喜 びを得ることは、それこそむずかしいというものだ。
おにやらい
‥やらひ 【追儺・鬼遣】
節分の夜、「福は内、鬼は外」と大声で唱えながら、炒(い)り大豆の鬼打ち豆をまく行事。ついな。豆まき。