真実信心うることは
末法濁世にまれなりと
恒沙の諸仏の証誠に
えがたきほどをあらわせり
往相還相の廻向に
もあわぬ身となりにせば
流転輪廻もきわもなし
苦海の沈淪いかがせん
仏智不思議を信じれば
正定聚にこそ住しけれ
化生のひとは智慧すぐれ
無上覚をぞさとりけり
不思議の仏智を信ずるを
報土の国としたまえり
信心の正因うることは
かたきがなかになおかたし
無始流転の苦をすてて
無上涅槃を期すこと
如来二種の廻向の
恩徳まことに謝しがたし
報土の信者はおおからず
化土の行者はかじおおし
自力の菩提かなわねば
久遠劫より流転せり