無明煩悩しげくして

塵数のごとく遍満す

愛憎違順することは

高峯岳山にことならず

 

有情の邪見熾盛にて

叢林棘刺(そうりんこくし)のごとくなり

念仏の信者を疑謗して

破壊瞋毒(はえしんどく)さかりなり

 

命濁中夭刹那にして

依正二報滅亡し

背正帰邪まさるゆえ

横(おう)にあたをぞおこしける

 

末法第五の五百年

この世の一切有情の

如来の悲願を信ぜずは

出離のその期はなかるべし

 

九十五種世をけがす

唯仏一道きよくます

菩提に出到してのみぞ

火宅の利益は自然なる

 

五濁の時機にいたりてば

道俗ともにあらそいて

念仏信ずるひとをみて

疑謗破滅さかりなり