「カルト問題」が、現代社会の問題となって取り上げられ、マスコミの話題となることも多いが、どういう問題なのだろう。「カルト問題」とは、自分たちの信仰と異なる信仰の問題ではないし、信仰上の異議や異端だけを問題にすることでもない。
「カルト問題」とは、それが表面上は宗教的行為にみえながら、実は信者となった人が、労力と時間、資産などを不当に奪われることにあるのである。それは人権侵害であり、公共の施設をいちじるしく破壊していまうことさえある。普通の人が勧誘され、次第に教祖や教団の道具に仕立て上げられて、それからさまざまなものが奪われ、経済的にも社会的にも追い詰められたり、家庭生活が崩壊することが起こっている。
またカルトとオカルトとは全く別の問題だ。オカルトは超常現象のことで、カルト問題として顕在化した集団の教祖が空中浮揚ができると宣伝し、超能力に興味を持つ若い世代の関心を集めたため、混同されがちだ。