Indocyanine green fluorescence video angiography reduces vascular injury-related morbidity during micro-neurosurgical clipping of ruptured cerebral aneurysms: a retrospective observational study.

 

Acta Neurochir. 2019 Nov;161:2397-2401.

doi: 10.1007/s00701-019-04029-6

 

 

 

 

破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術において、術中に行うindocyanine green fluoresence video angiography(ICG-VA)の使用の有無が、周術期合併症の出現と関連するかどうかを調査した論文です。

 

 

 

脳動脈瘤手術に伴う合併症は、血管支配領域にそった障害や、脳実質および神経の圧迫に伴うものが考えられますが、大半は血管障害に伴う合併症です。

 

 

ICG-VAではリアルタイムに血管構築のイメージが得られ、即座に動脈瘤の閉塞や周囲血管の障害の有無の確認が可能です。

 

 

そこでこの研究では、破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術の際に、ルーチンでICG-VAを使用することで、手術手技に伴う血管障害由来の合併症を減少させうるかどうか検討しています。

 

 

 

後方視的比較観察試験で、WFNSグレード1または2の成人くも膜下出血症例412例を対象として、クリッピング術が行われ、ICG-VA使用群212例(2001-2004年)、ICG-VA非使用群200例(2009-2015年)を比較検討しています。

 

 

手術に伴う血管障害は、術後24時間以内に出現した手術部位の血管支配領域と関連する新たな神経学的異常所見(画像所見で脳虚血の出現の有無は問わない)としており、脳実質の直接の障害や後出血、血管攣縮、水頭症の出現による症候は除外しています。

 

 

 

ICG-VAを使用した群の方が、有意に手術に伴う血管障害の合併症が低いという結果でした(7/212(3.3%) vs 19/200(9.5%), p=0.0137)。

 

(上記文献より引用)

 

 

 

ICG-VAは簡便に使用でき、回避可能な手術手技に関連する合併症を防ぐことに貢献すると思われます。

 

 

 

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