Subperiosteal vs subdural drain after burr-hole drainage of chronic subdural hematoma: a randomized clinical trial (cSDH-Drain-Trial)

 

Neurosurgery. 2019 Nov 1;85:E825-E834.

doi: 10.1093/neuros/nyz095

 

 

【背景】

慢性硬膜下血腫(cSDH)に対するburr hole drainage後に硬膜下ドレーン(SDD)を留置することで6ヶ月時点での再発を有意に減少させると言われている。

 

骨膜上のドレーン(SPD)は、脳実質やbridging vein、血腫の膜に直接触れないため、より安全と考えられる。

 

 

【目的】

SPD留置後の血腫再発率が、一般的に用いられるSDD留置と比べて遜色がないかどうか検討する。

 

 

【方法】

18歳以上のcSDHに対してburr-hole drainageを行った症例における、多施設、前方視的ランダム化コントロール非劣勢試験を行った。

 

血腫洗浄除去後、症例をランダムにSDD-groupとSPD-groupとに分類した。

 

(上記文献より引用)

 

 

プライマリー・エンドポイントは、12ヶ月以内の再手術を要する血腫の再発とし、非劣勢マージンは3.5%とした。セカンダリー・アウトカムは、臨床的・放射線学的アウトカム、後遺症率、死亡率、入院期間が含まれた。

 

 

【結果】

ランダム化された220症例のうち、全症例が最終の解析に含まれた(SPD120例、SDD100例)。

 

再発率はSDD-groupよりもSPD-groupで低かった(12% vs 8.33%)が、非劣勢の基準に満たなかった。

 

SPD-groupは有意に、感染症率が低く(p=0.0406)、ドレーン留置に伴う医原性合併症率も低かった(p=0.0184)。

 

入院期間および死亡率は両groupで同等だった。

 

 

【結論】

非劣勢は証明されなかったが、SPDは血腫の再発率が低く、感染症やドレーンの誤挿入の率も低い。よって、SPD留置はルーチンの手術方法として検討しても良いと考えられる。

 

 

*コメント

自験例はないが、SDDの場合、ドレーン誤挿入による脳実質の損傷の可能性は十分に注意が必要である(下図)。本研究では、硬膜下ドレーンを最大限挿入する方法を行っており、脳実質損傷の危険性が高かったと思われる。

 

 

(上記文献より引用)

 

 

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