Misdiagnosis worsens prognosis in subarachnoid hemorrhage with good Hunt and Hess Score

 

 

Stroke. 2019 Nov;50:3072-3076.

doi:  10.1161/STROKEAHA.119.025520

 

 

 

 

 

【背景・目的】

この研究の目的はくも膜下出血(SAH)の初期の誤診に関連する要因を検討することである。

 

また、Hunt and Hessグレードが良好な症例における誤診と予後不良および合併症との関係を評価した。

 

 

 

【方法】

SAH401症例の前向きコホートで、誤診は初回診察で正確に発見できず、後にSAHと診断されたものとした。これは緊急の画像検査や腰椎穿刺を実施しなかったことを示す。

 

予後不良は3ヶ月の追跡でmRS3-6と定義した。

 

年齢、性別、高血圧、糖尿病、喫煙、抗血栓療法の既往、初回のHunt and Hessおよび画像所見の重症度、脳動脈瘤の有無、初回の治療方法、水頭症、遅発性脳虚血(DCI)、再出血、手術に関連する合併症を調査した。

 

 

 

【結果】

誤診は104/401(25.9%)に認め、これらの症例は入院までの時間が長かった。

 

誤診症例は、臨床および画像所見が正確に診断された症例よりも有意に軽傷であり、どちらのグループも年齢および心血管系リスクに違いを認めなかった。

 

予後不良は167/401(41.6%)に認めた。年齢誤診臨床および画像所見が重症であることは予後不良と関連した。

 

 

Hunt and Hess1-2の236例(58.8%)のうち、誤診予後不良と単変量解析・多変量解析の両方において有意に関連した(odds ratio, 3.89)。また、DCI(odds ratio, 2.47)、手術に関連する合併症(odds ratio, 2.27)は誤診と有意に関連した。

 

 

 

(上記文献より引用)

 

 

(上記文献より引用)

 

 

 

【結論】

SAHの誤診は解決できない問題ではあるが、Hunt and Hess1-2の症例の良好なアウトカムの機会を失ってしまう誤診症例の予後不良は、DCIのハイリスク手術関連の合併症で規定される。

 

Hunt and Hess1-2で代表される頭痛のみの症例において、診断戦略の向上が必要である。

 

 

 

*コメント:

SAHの誤診は5.4%-51%と言われており非常にその確率の幅が広いが、本研究でも誤診率25.9%と、やはり高いと思われる。これは頭部CT検査を行うかどうかに関連すると思われ、(良いか悪いかは別にして)何でもかんでもすぐに検査を行う日本では誤診率は低いであろう。

 

 

 

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