Stroke. 2019 Nov;50:3135-3140.
doi: 10.1161/STROKEAHA.119.026512
【背景・目的】
原因不明の脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)を起こし、かつ卵円孔開存の症例に対する治療において、抗凝固療法と抗血小板療法のどちらが適しているかは不明である。
この研究の目的は、抗凝固療法および抗血小板療法を比較するために、ランダム化試験のシステマティックレビュー、そしてメタ解析を行うことである。
【方法】
脳梗塞およびTIAを発症し薬物治療が行われた卵円孔開存症例に対する抗凝固療法と抗血小板療法を比較した研究を、2019年7月16日の期間までPubMedを調査した。以下の検索言語を使用した。
「原因不明または塞栓源不明の塞栓症」
「脳梗塞または脳血管障害または一過性脳虚血発作」
「抗血栓または抗凝固または抗血小板」
アウトカムは、脳梗塞再発、重篤な出血、そして脳梗塞再発または重篤な出血の複合エンドポイントを評価した。
【結果】
112論文の中、5つのランダム化試験がメタ解析に組み込まれた(1720症例、平均追跡期間2.3±0.5年)
脳梗塞再発率は、抗凝固療法群で1.73/100例/年、抗血小板群で2.39/100例/年だった(hazard ratio 0.68)。
重篤な出血は、抗凝固療法群で1.16/100例/年、抗血小板群で0.68/100例/年に認めた(hazard ratio 1.61)。
複合エンドポイントは、抗凝固療法群で52例、抗血小板群で54例に認めた(odds ratio 1.05)
【結論】
抗凝固療法と抗血小板療法で、脳梗塞の再発と出血の危険性に有意な差は認めなかった。
非ビタミンK拮抗抗凝固薬(DOAC)とアスピリンを比較したランダム化試験が期待される。
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