Neurosurgery. 2019-Aug

10.1093/neuros/nyy240

 

 

 

 

くも膜下出血(SAH)後の遅発性脳虚血(DCI)に対する治療として人為的高血圧があるが、自己調節機能が破綻すると血管原性浮腫を来す。

 

つまり、可逆性後頭葉白質脳症(Posterior Reversible Encephalopathy Syndrome; PRES)を起こす。

 

PRESは血管原性浮腫による変化が主に後頭葉白質に出現し、頭痛、白質脳症、視野異常、痙攣などの症状を引き起こす。

 

 

 

SAH後のDCIに対する人為的高血圧治療中のPRESの頻度や、それを引き起こす危険因子について検討した。

 

 

 

68症例中、5例(7%)にPRESを認めた。

 

人為的高血圧治療開始から中央値6.6日(範囲:1-8日)でPRESを発症した。

 

PRESを認めた症例とそうでない症例とを比べて、治療中の平均血圧に差はなかったが、人為的高血圧治療開始直前の平均血圧と、治療中の最大目標平均血圧値は、PRESを認めた症例で有意に高値だった。

 

 

(文献より引用)

 

 

 

 

人為的高血圧を行う直前の血圧が基礎値より50mmHg以上高い場合人為的高血圧の目標が130-140mmHgを超える場合にはPRESの出現に注意が必要と考えられる。