Posterior cerebral artery infarction from middle cerebral artery infarction.
Maulaz AB et al.
Arch Neurol. 2005
・後大脳動脈(PCA)領域の脳梗塞
中大脳動脈(MCA)領域の脳梗塞の症状として、片麻痺、感覚障害、半盲、半側空間無視、失語症を呈するが、同様な症状を後大脳動脈(PCA)領域の脳梗塞でも認められ、病態把握が困難なことがある。MCA領域の脳梗塞を装ったPCA領域の脳梗塞は比較的高頻度に認めるが、両者の発症メカニズムは異なる。
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【目的】
MCA領域の脳梗塞を装ったPCA領域の脳梗塞について検討する。
【方法】
・PCA領域の脳梗塞で入院となった202例が対象、その頻度や症候を調査した。
【結果】
・MCA領域の脳梗塞を疑わせるような症候を呈したPCA領域の脳梗塞は36症例(17.8%)だった。
・PCA領域のうち、表層部(66.7%)、近位部(16.7%)、表層+近位(16.7%)
・脳梗塞のメカニズム;
表層部:心原性(54.1%)
近位部:ラクナ梗塞(46.2%)
表層+近位:原因不明(40.2%)
・症候;失語症(13例)、半側空間無視(13例)、重度の片麻痺(7例)
(文献より引用)
【結論】
MCA領域の脳梗塞を装ったPCA領域の脳梗塞は、以前考えられていたよりも頻度が高く、その理解が早期の適切な治療につながるだろう。