Della-Morte D et al.
Stroke. 2018
MRIで認める大脳白質の高信号域(WMH)は微小脳血管障害の一つであり、認知症や脳血管性痴呆、アルツハイマー病、さらには脳卒中との関連性が示唆されている。
また、加齢や高血圧症、ホモシステイン、様々な遺伝的要因がWMHの存在に影響していると考えられている。
さらに微小脳血管障害に伴う動脈硬化性変化とWMHとの関連性も示唆されている。
一方、頚動脈の内中膜肥厚(cIMT)は動脈硬化性変化のマーカーで、脳卒中や心血管系障害の予測因子とされている。
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そこでcIMTとWMHとの関連性を、加齢や脳卒中、人種差の観点から検討した。
1229症例、平均年齢71±9歳、女性60%、白人15%、黒人18%、ヒスパニック65%
平均cIMT 0.71±0.08mm、中央値log置換WMH volume 0.36
cIMTが厚いほど、WMH volumeは大きかった(P=0.04)。この関連性は、70歳以上(P=0.01)、ヒスパニック(P=0.003)で顕著であった。
高齢のヒスパニックは脳卒中および認知機能障害のハイリスクであると考えられる。
(文献より引用)