姉の嫁ぎ先は雑貨店を営んでおり、毎日いろんな人が集まっていた。
僕が二十歳の頃、そこによく遊びに来ていたA子ちゃんや、
誕生日一日違いのK子ちゃん
他、数名を集め子守をさせられた時期がある。
スポーツ新聞や雑誌のただ読みの見返りである!
A子ちゃんが小学4年生の頃だった。
それから数年後、僕に姉からの連絡があり、
「A子ちゃん入院したから一緒に見舞いに行って」と言う。
一時期少し遊んであげただけの仲、他人のその子の見舞いに
「どうして俺が?」と疑問を抱くのは自然である。
すると姉「原因不明の、何でも重い病気らしいの」
「それでA子ちゃんが、あなたに会いたいって言ってるらしいの」
とのことだった。
その時、僕の頭の中には、
中学生の時に体育館で見た映画
「父ちゃんのポーが聞こえる」が浮かんだ。
難病と戦う少女の物語だ。
病室に入った僕は、ベッドに元気なく横たわるA子ちゃんを見て、
これは重い病気に間違いないと思い込んでしまう。
15年前にモンマルトルの丘で勝手にスケッチされ、
買わされた。全然似てない!面長ではない!!
A子ちゃんにはこんな感じに写ってたのかな~?
何故か母親が、「暫らく二人にしてあげましょう」と、
何やら訳の分からないことを言って、
みんな病室を出て行ってしまう。
僕はこの時、A子ちゃんはもう僅かの命しか残されていないんだと、
またもや思い込んでしまう。
そっと話しかけてみる「A子ちゃん大丈夫?」
虚ろな目で僕を見て、僅かにうなずく。
元気が無い!
何とか元気づけたい!
生きる力を与えたいの一心で、
僕は取り返しのつかない過ちを犯してしまう。
つづく。
