『不可逆的な美しさを思ふ』

ーAKB48 第4回 選抜総選挙によせてー

世の中に不変なものはなにもないという。それを仏教では「諸行無常」という言葉であらわす。例えば「私」という個体は見た目には10分前、1秒前の「私」となんら大差ないように見える。しかし、細胞の観点からみると何千という細胞がこの一瞬一瞬で「私」の中で生まれ、死亡している。全ての存在はたとえどんなちょっとした瞬間でもそのものが一つところに同じ形ではとどまっていることはないのである。
だが、今日私は不変の存在というものを垣間見たような気がした。「大島優子総選挙第一位」
強い、強すぎる。次期センター候補の筆頭であった渡辺麻友に3万票ほどの大差をつけて勝ってしまった。リアルタイムで中継を見ながら、3位に柏木由紀の名前が呼ばれた時、もしかしてという私の期待をあっさり裏切って1位になってしまった。彼女が卒業する以外にセンターを明け渡す可能性が私には考えられない。AKBの中で圧倒的絶対的存在になってしまった大島優子のこれからに期待である。

そして今回大躍進を遂げたのは4位になった指原莉乃であろう。彼女の最近の活躍は言わずもがなである。特にバラエティー番組での活躍は素晴らしい。だがキャラが良い分、この現代の移り変わりが激しいバラエティーの世界でただ消費されるだけになるのではないかと不安になる。今後の彼女の地力というものに期待したい。

今回、私が陰ながら応援していたのがSKEの秦佐和子さんである。24位という順位になって見ている人は見ているなぁっというのが私の感想です。あのなんとも言えない癒し系の感じでありながら年は他のメンバーより上なのでお姉さん的存在で、例えるならちびまる子ちゃんのたまちゃんみたいな存在と言えるであろうか。私が上杉謙信役として大河ドラマに主演したとしたら側にいるくのいち役として武田家の情報をぜひ秦さんに探ってもらいたいものである。そういえばあの秦さんの優しい雰囲気はうちの父親にもまた似ている。父もまた秦さんの良さをきっとわかってくれるにちがいない。

文責:高倉ナオヒト

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『橋本市長は現代の松尾芭蕉に成りうるか?ーリラックマの視点から今を斬る』


近年、先の見えない停滞状態が続いている日本政治であるが、その中でも活発に動き、良くも悪くも話題をよんでいる人がいる。橋本徹大阪市長だ。大阪府知事時代でみせた行動力は今でも健在で、一部では「ハシズム」と揶揄されるほどある種強行的に市内の問題に斬り込んでいっている。

さて、その橋本市長は弁護士時代から様々な強烈な発言をしている。テレビやラジオにおいては度々過激な発言をし、数百件もの苦情や果ては謝罪沙汰などになっているのだから、このときから人々の注目をあつめているのだ。このように世間を惹きつける言葉を紡いでいく姿はまさしく俳諧師、そう松尾芭蕉のようである。現在は政治の世界に入っていってしまっているせいか、「今の僕なら阿川佐和子さんを即妊娠させられますよ」といった過去の名作のような言葉はあまり聞かないが、今後もその活発な動きとともに鮮烈な発言を期待している。

ただ、リラックマ的にはそんなことはいいからとりあえず寝たい。

文責:都筑直弥


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『ベンチャー企業の敏腕女社長ではない女学生からの手紙』

女性の皆さん。簡単に自由に使えるお金ができる節約術、また簡単に身を守れる護身術があったら知りたくないですか?実は私が実践してみて、かなり効果のあった節約術・護身術があるんです。

まずは節約術。私は化粧品に注目しました。例えば、BBクリームなどのクリーム状の化粧下地。あれ結構高いんですよね。2000円以上します。しかも毎日使うものだから、3ヶ月もすればなくなってしまう。
しかし私は、半年は使えています。

ポイントは、適当量と粘り強さです。

化粧下地は、少なめにつけます。実は薄く伸ばしてつける方が、透明感が出るんですよ。また、チューブに入っているものは、使い終わったと思っても、実はまだたくさん中に残ってます。私はBBクリームのチューブを、粘って折り続けて、2ヶ月くらいになります。そのくらいの量が残っているんです。
このように、ちょっとした手間でかなり化粧品費用を節約できるので、ぜひ色々試してみてください。節約美人になりましょう。

そして、護身術です。
女性が一番危険なのは、夜道です。そこで、私が女性の皆さんにおすすめしたいのは、「夜道で童謡を歌う」です。私の周りの女の子たちもこの方法で、夜道が怖くなくなったと言います。森のくまさんがおすすめです。変な男の人といえども、夜中に童謡を歌うような変な女の子には近づかないのでしょう。かなりの効果が期待できますので、せび実践してみてください。

少しは皆さんのためになるお話ができたでしょうか?女性の悩みはつきません。私の話が、そんな悩み多き皆さんの、お力に少しでもなれれば幸いです。

大廣田 翔子

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『セクシャル・ソウル・ソサイエティ』

演劇好きなシャツinズボンの中年が大勢たむろする下北沢界隈。

そこで真しやかに噂される都市伝説。

その真相は、夕陽だけが知っていた。

鴬谷のハプニングバー『ひよこ』には、今日も御機嫌な客がやってくる。

例えば、明治大学文学部で教授を務める比留間先生。

彼は幼い頃に月光仮面の姿に発情し、今でも月夜にサングラスを掛けた人間を見れば犬の如く発情してしまうのである。

比留間先生はある人を待っている。

それは、半年前にこの店で一度だけ出逢えた運命の女性。
バブル全盛期のようなトンボを思わせるサングラス。月光仮面のコスチュームを思わせる全身を覆う白いドレス。何より、白く輝く三日月の髪飾り…。
あの日以来、比留間先生は頭から彼女が離れず、授業中にあられもない姿と顔を晒すことが度々あった。
ついには、教授会で鼻を伸ばし、よだれを垂れ流し、目には熱い涙を堪え、失禁してしまったのである。
「はぁぁん…セクシャル!」

つづく

小林晃平

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『名台詞と美味しいコーヒーは人間を殺せるか?』

―自分が大河ドラマで主役をやるなら?

劇団員の間ではそういった話題がよく出る。頻出する。永遠の命題と断言して良いだろう。

読者諸兄は大河ドラマと聞いてどのような英雄が思い浮かんでいるだろうか。

大阪の猿、東北の独眼竜、西国の倒幕の志士、京都の判官・・・枚挙にいとまないこの国に生まれたのは、本当に幸せなことだと私は思う。まさにラッキーである。

だが、私はどうしてもそのような絢爛豪華なホウオウのようなイメージの影にいて、ヨルノズク然として静観する歴史の傍観者のほうに目がいってしまう。そういう視点が常に先行するのだ。このような私のオドシシ的スタンスは幼少時代を過ごした土地に、起源があるのかもしれないと最近思う。

私は初代ポケモンに出てきた水ポケモンの数ほどの土地を幼少時代点々としたが、一番長く留まった地はヨルダンと千葉であった。この二つの地に共通する特徴、それは、周辺地域の対立構造に巻き込まれていないことである。イラクとイスラエル、埼玉と神奈川という激しく対立する関係軸が隣接しているのにも関わらす、ヨルダンと千葉はコダック的といえるほどにピチュー的…平和である。これは意外としられていない共通点であろう。

また同時に、対立構造に含まれていない地域は経済的に発展しないという残酷な事実も私たちに教訓として教えてくれる。まるでオーキド博士のように。

思えば、あの町もそうであったのかも知れない。
まっさらな町、マサラタウンである。クチバ、タマムシ、ヤマブキと華やかな町とは対照的に、素朴な町として「ポケットモンスター」の中ではえがかれていた。ストーリー中でも全く争い=ロケット団とは終始無縁の町であった。「ポケットモンスター」フリークの私としては、マサラタウンのあのクオリアこそが、「ポケットモンスター」全体のクオリア(これはポケモンでない)であったように今となっては思う。

少し話はズレるが、年々のポケモン映画の劣化にはもう黙っていられない。
特に許せないのが「特典ポケモン」の存在である。慢性的な金欠で二回も映画館に足を運ぶことなど到底出来ない私にとって、あの商法は唾棄すべきものである。
最近お世話になった編集者が「電子書籍は戦いの道具ではない」と言っていた。それに倣って私も言おう。「映画は商戦の道具ではない」と。
「ミュウツーの逆襲」「ルギア爆誕」は素晴らしい出来だった。今のような時代だからこそ、内容で勝負するようなポケモン映画を作って欲しい。

真に美味しいコーヒーには苦味と酸味、コクと深みがあると井出勝隆(42歳独身、珈琲店店長)は言った。最近のポケモン映画制作者も彼の爪の垢を煎じて飲むべきである。
ただ、一つだけ言っておきたいのは別に私が今のポケモン映画にそこまで不満かというとそういうわけではないのだ。年々出演するポケモンは増えてきているし、そのおかげで世界観がよりきめ細やかに表現されるようになってきている。女の子はアニメよりも艶っぽいし可愛い。そしてピカチュウもいる。メジャーポケモン以外にもスポットライトを当てるキャスティングには涙さえ浮かぶこともあった。
だが、わずかに陰りが見える。私がいうのだから間違いない。制作者は危機感を抱くべきである。特に悪徳商法はマジでやめろ。無料配布しろマックで。金がねぇ。

私のこの文言が(株)ポケモンに通じ、ケガレに対する浄化装置としてのハラエのように、ポケモン映画の悪徳商法が撤回され、マサラタウンのような素朴な気持ちを思い出して映画製作が行われる日を心待ちにしている。

後家鞘俊彦


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数年前、モノレールで乗り合わせた人から「あんなに忙しいのに、一体いつ曲を作っておられるのですか?」と訊かれた。

私は、ちょっと照れ臭そうに「はい、ええと、お風呂に入ってる時にバーっと作っちゃうんです。」と、答える。

しかし、それは真っ赤な嘘だ。私は曲を作ったことがない。

なのに何故そんなことを訊かれたのだろう。

今でも不思議だ。


工藤真之介