昨日、UPしました放射能に効くという噂の怪しげな「民間療法」をわかりやすくまとめてみました。
結果、今のところこれらの民間療法はほとんど効果がないということです。
「対放射能の民間療法のほとんどは、インチキとまでは言わないまでも、疑問符が付くものばかりです」と大阪大学准教授で科学技術社会論が専門の平川秀幸氏。
そして、これらの「民間療法」は医師や科学者の視点からすると、かえって健康を損なうと言うので、くれぐれも注意してください。
噂の放射能除去の民間療法
①米のとぎ汁を数日間寝かせて発酵させ、乳酸菌が繁殖したら噴霧して吸引という療法
極めて危険。一般人がマネをすれば、乳酸菌だけでなく雑菌が培養されることも。ましてや吸引などしたら感染症などの健康被害にもつながりかねない。絶対にやってはいけません。これはもはや、乳酸菌が放射能に効くかどうか以前の問題。
②水分を控えて塩を多めにとる療法
暑さの中で水分を控えるのは自殺行為。脱水症状を起こします。また、塩分摂取も量が多ければ問題。塩分摂取量は、一日あたり男性で10g、女性で8gが基準。それ以上の塩分の摂り過ぎは健康を損なうので避けるべきです。これも、放射能以前の話。
③“放射性ヨウ素を排出する”スピルリナやクロレラ、“体内のセシウムを減らす”りんごペクチンなどのサプリメントを摂取する療法
スピルリナやクロレラは稀ながら含有製品との因果関係が疑われる健康被害が報告されています。ペクチンは今のところ健康被害の報告はありませんが、効果を期待して大量に摂取した場合はわかりません。錠剤の摂取は気をつけるべき
④EM菌(有用微生物群)を配合した飲料水「EM・X GOLD」を飲めば体内の放射性物質が排出されるという療法
EM菌摂取による健康被害の報告は聞いていません。ただ、EM菌の最大の問題は、非科学的、似非科学であるということ。
有用微生物は土壌浄化や水質改善などで役立つものもあるので、すべてがダメとは言いません。また、微生物の中には多量の放射線を浴びても生存可能な菌が存在することも事実。ただ、それが人間の体内に入った放射性物質を除去してくれるとは限りませんし、放射能自体を無力化するなんて都合のいいことはありえません。
⑤“エビオス錠やビールが効く”という療法
これらが放射能に効果的とする論文が存在するのは事実です。ただ、それらはあくまでも動物実験のレベル。人間に効果があると証明されたわけではありません。“ビールを飲めば大丈夫”というのは短絡的です
⑥根昆布水、梅干し、玄米、ハーブティーなどを摂取するという療法
一般に流通している食品ならば、摂取しても構わないと思います。根昆布水にはヨウ素が含まれているので、ヨウ素剤のような効果を期待しているのでしょう。しかし、含まれているといっても微量なので、大きな効果を期待するのは難しい。ただ、それで不安が和らげることができるなら、体に悪いものではないので問題ありません。梅干しや玄米、ハーブティーも同様で、効果があるとは思えませんが、それで気が済むなら医師としても止めることはない。不安やストレスは健康を害する要因になりますからね。
以上。
気休めなら⑥の根昆布水、梅干し、玄米、ハーブティーを試してみるぐらいならいいでしょう。
(*^-^)bあくまでも気休めにしかすぎないようですが・・・