昨日は映画を観に銀座へ
蛇にピアス
現実味のない世の中で、何かを探し求めた、私の人生の断片
あの頃、「痛み」だけが、私に生きている実感をくれたんだ
芥川賞を受賞した金原ひとみの同名小説を演劇演出家・蜷川幸雄が映画化。
原作を読んでいましたのでイメージが自分の中にありました。
が、映画はそれをすべて超える描写でできていました。
とにかくショックです。
舌にピアスを開けて、穴を拡張し舌を2つに割る=スプリット・タン。
強烈な性描写と殺人。
自分がどうあるべきかなんてほど遠くて、さまよう亡霊のように生きている。
こころが痛すぎます。
しかし、これは非現実的物語だと簡単に整理できない感情が残ります。
どうしようもない目の前の現実を、変える力になる夢や目標も持ちにくい
現代の若い世代の現状としてリアルに感じます。
肉体的な「痛み」でしか生きている実感を得ることができない主人公ルイ。
刺青とスプリット・タンで生を実感しています。
自分のまわりに現実と結束できるものがそれしかなかったのだと思います。
社会的な善悪の判断なんて関係なくて
自分を認識できる方法として容易に取り込んだのではないかと思います。
この作品は、どうしようもないネガティブループの環境に陥りやすい現代で
苦しんで、もがいて、本能で現実と結びつこうとした若者を描いています。
理解する必要はないかもしれません。
でも、見渡せば周囲に簡単に見つかる
どこにでもいる若者の話しだと認識すべきと思いました。