夕暮れ時
西の空で
水色の秋空と
夕焼けが混じりあう頃
小さな夏秋管弦楽団の
演奏が始まる


ひぐらしたちの演奏が
ひときわ力強い

夕刻を震わす

銀の音色
虫たちは
ひぐらしたちを
引き立てようと
小さな楽器を
一生懸命に演奏する

小さな小さな金の音色


ゆく夏の
みんみんぜみと
海の波と
花火の音---。
今年の夏の音が
ぼくの耳の中に
よみがえっては
消えてゆく
アイスクリームの味や
線香花火の色も
思い出す


もう少しだけ
夏秋管弦楽団の演奏に
耳を傾けていたい
もう二度とやってこない
この夏の音と匂いと色を
もう一度思い出すために