むかし
ぼくは
真っ白い
本で
風が吹くと

まっさらな
ページが
さらさらと
軽やかに
めくれた
でも今は
知識や
知恵や
悪知恵や
経験や
思い出や
恨みや
つらみや
恥や
いろいろ
書き込まれ
ずっしり
重くなり
手垢に
まみれてしまった
書き込まれたこと
を破って捨てたい
と思ったけれど
それをしたら
ぼくという存在が
消えてしまうわけで
でもあるとき
突風が吹きつけ
ページが
ぐんぐん
めくれ
白いページが
まだまだ
残っている
ことが判明
今のところ
この物語は
退屈極まりない
みじめな
ものであっても
いまから
白いページが埋まり
面白くなる
可能性が生まれて
わくわく
という言葉を
白いページの
最初に
書き込んだ