コンコンと
窓をたたく音
机の上で
眠っていた僕は
はっと目を覚ます
満月が
窓の外にいた
開けると
すうっと
入って来た
こんばんは
声に張りがない
ちょっと
青ざめている
こんばんは
僕が
言い終わったとたん
満月が
泣き出した
声をころして
静かに泣いている
まるの上半分が
ふるえている
そして
青いなみだが
ぼろぼろ
僕は
おろおろ
泣いた満月
なんて
見たことがない
心配しないで
満月みたいに
言うこと
なんかできない
ぼくは
とがっているから
トゲだらけだから
でも
満月のなみだで
トゲの一本ぐらいは
ぬけたような
ふうっと
体が動いて
満月を
抱きしめた
何もいえないから
これしか
できなかった
ぎこちなく
照れくさい
気持ち
なんだか
僕も
悲しくなって
なみだが
じんわり
そのままで
ずっといて
僕はまた
眠ってしまった
目を覚ますと
ノートに
満月のまるい字で
ありがと