白い杖
本日の就業は定刻からの超過勤務が3時間10分。
帰宅時、電車の乗り継ぎの為に一旦駅ホームへ降りた。
近くを目の不自由な方が、杖をつき歩いていた。
その時は特に問題もない様子。
私は周囲の人の流れに沿い階段を上っていった。
しばらくすると、私の足元後方に何かがふれた。
振り向くと、先ほどの杖をついたその男性がいた。
杖をつくあの独特の音は、階段では発生しないんですね。
それまで全くその気配に気が付かなかったので
「大丈夫ですか」と接近し声をかけると
「あ、JRの乗り継ぎでない出口はどこですか」
と聞かれ、ちょうど階段も登りきったところで
「右側です」
と応えたものの、うまく言葉で案内することができなかったので
「こっちですよ」
とその方の腕に軽く手を添え、すぐ近くの改札口まで一緒に歩きながら
「左が南口で、右が北口です」
と説明したが、これで分かってもらえるのかなと不安に思っていた。
そこへ、その改札口の利用者と思われる方が寄ってきて
「大丈夫ですか、私が案内しましょう」
と後の案内を継いでくれた。
私はJRへの乗り継ぎが必要だったので
その親切そうな男性に、その後を安心して任せることができた。
普段積極的に、杖を使っている方に声をかけるようなことはないが
こうして何かお役にたつことができると嬉しい。
さらに、その後を引き継いで案内してくださる方が現れ
世知辛いだけの世の中じゃないなと、救われる思いがした。
その一連の出来事は、決して特別なことではなく
その立場になれば誰もが行う当然の行為に過ぎず
思い上がりかもしれないが
何だか一日、いや一週間の疲れも吹き飛ばされる清々しい思いがした。
明日はどんな日にしようかな。