■木村
木村がマイケルのダンス踊ったりスーザンボイルに英語で話したりするの見て本当に勇気を貰った。木村はマイケルのダンスを断ることもできたのに、スーザンボイルに日本語で話すこともできたのに、自分の地位にあぐらをかくこともできたのに、それなのに、木村はマイケルを踊ったし、スーザンボイルに英語で話しかけた。
2009年の大晦日になっても、未だに僕らは37歳の木村にアイドルを求めているし、そのアイドルの木村が失敗するのを心の何処かで望んでいます。
つまり日本一失敗してはいけない人間、一方で日本一失敗を望まれている人間、その木村が敢えて、自ら、真正面から、すべてを理解した上で、失敗の可能性のある場所に飛び込んでいくのが本当にカッコ良いと思った。カッコ良いっていうか、強いなって思った。異常だなって思った。天下の木村すら失敗を恐れず挑戦して飛び込んでるのに、自分みたいなもんが何を失敗を恐れることがあるんだろうって木村の奇妙なマイケルの踊りを見て思った。
「ナンバーワンにならなくてもいい」。2010年になる30分前に木村はカメラ目線でそう言った。そう教えてくれた。皮肉でも、嫉妬でも、厭味でもなく、ありがとうって思った。