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こんにちわ。妹から非通知でかかってくる新爆です。
いやーまいった。
この前、先月の4月11日な、誕生日だなんだって大騒ぎしてただろ。
でな、あの日な、なんとだな、免許証の更新期限日でした!!
気づいたのが昨日。もう真っ青になった。さーって血の気引いたもん。
俺また最初っから自動車学校行かなきゃなんねーんだって思って。
まあ色々聞いて回ったらそれはないらしい。6ヶ月以内なら大丈夫らしい。
めっちゃホッとした。俺な、自動車学校にだけは二度と行きたくないんだよな。
お母さんに引きずられて泣きながら通ってたからな。
萩原流石似のすげーおっかねー教官がいてよ。ちょっとでもミスしたら、
お前なんか免許取る資格ね-んだよ馬鹿、とか言われて。もうすごい言葉責め。
さすがのMの俺も落ち込んだってーの。
路上でエンストなんてしようものならもう大変。足ガンッて蹴られて、
だからお前は何やっても駄目なんだよこの変態野郎、とか言われて。すごいんだから。
いつか絶対免許取って車買ってこいつをひき殺そうって、
その憎しみパワーだけで毎日通っていました。そして苦労の末、免許取得。
その後、俺はすっかり車にも慣れ、天狗になり毎日ブイブイ、スカイラインを走らせていた。
そんなある日。俺は萩原流石似の鬼教官が亡くなった事を知る。
心不全による急死、享年44歳だった。
俺は、なんとも言えない気持ちになった。
あんなに憎かったはずの鬼教官が死んで、嬉しいはずなのに。
俺はいてもたってもいられなくなり路上教習でよく走った国道423号線に向かった。
行くまでの道のり、俺は何度も目の前がぼやけた。
萩原さんよ、萩原さんってば。
もう一度俺を叱ってくれよ。もう一度俺に運転のイロハ教えてくれよ。
なんでだよ、なんでだよ。まだ勝負は終わってねーよ。
苦労して取った免許証、見てくれよ。なあ、萩原さんってば。馬鹿野郎。
明日、運転免許センターに行ってきます。
※一部、脚色表現がされておりますが免許証の期限が切れた事は事実です。
ご了承下さい。