■ | Not Found 第3章

長渕剛が「スマスマ」に出演。

 
この事実は業界に大きな衝撃を与えた。
もちろんファンの間でもその是非を問い、大激論が巻き起こっている。
変わった、終わった、いやこれが転機だ、様々な意見が渦巻く中、
当然、ファンの1人でもある俺も多方面から意見を求められた。
しかし俺自身、今回の件に関しては自分の中でまだ整理がついていない。
これが今の正直なところだ。
確かに長渕剛は、変わった。風貌、声、考え方、すべてが変わった。
そして、この「スマスマ」出演はその最たるものだろう。
当然、多くのファンは淘汰された。

 
長渕剛はもう20年以上も歌を歌い続けている。
お前らが生まれるか生まれないかその頃からだ。
そりゃお前らにとっちゃ、そんな古臭いもん興味がないかも知れない。
デリコの方がいいみゃ、と言うかも知れない。
キリンポコっす、と言うかも知れない。伏見稲荷っす、と言うかも知れない。
いや別に俺はな、どっちが上とか下とかそんな話をしてるんじゃない。
ただ20年後、お前らの好きなその歌手は、もう歌を歌っていないかも知れない。
歌っていたとしてもお前らはもうその歌手がそんなに好きじゃないかも知れない。
それはしょうがない。
でもな、その時にだ、その歌手を悪く言うのだけはやめた方がいい。
つまりだ。一度好きになった人を悪く言うのだけはやめた方がいい。

 
変わったのは何も長渕剛だけではない。
たけしも変わった。松本も変わった。その度にファンは淘汰されてきたんだ。
ファンなんてものはしょせんどこまでいってもこの世で1番無責任な存在だと
自覚してるし、この先俺は長渕ファンをやめる事があるかもしれない。
でもな、一度好きになった人を悪く言う事はない。

 
最後にお前らにはこの言葉を贈りたい。
92年5月、東京ドーム。チケット6万6千枚を発売開始40分で
売り切った直後の長渕剛のインタビューの一言である。

「今はこんなに人気があるけどね。この先もし俺が売れなくなって
 人気も無くなって誰からも相手にされなくなった時は、その時は、
 その時の人気が無くなって誰からも相手にされなくなった自分の気持ちを
 詩にして歌っていきたい。」

 
どうよ。これがなっちに言えるのかと。これ以上俺から言う事は、無い。

 
 
 
全部こころ君が言ってました。くさい奴です。
僕はグレーファンです。