逆チョコ | Not Found 第3章

逆チョコ

年のせいか、丸くなったのか、ここ数年やっとでバレンタインデーに対しての怒りが収まってきて、まあそれで誰かの恋が実るなら良いんじゃないですかぐらいにしか思わなくなってたところに逆チョコである。
その文字を初めて見た瞬間、マジでその場で手に持ってたリンゴを握り潰したわ。
どのツラ下げて「付き合ったキッカケは逆チョコです」って言うんだっつーの。どの口がどのトーンでそれを発するんだっつーの。それ言われた方の気持ち考えたことあんのか。人の痛みとかわかんねーのか。
逆チョコがキッカケで付き合って結婚して家建てて子供生んで、その都度なんて説明すんだよ。
不動産屋に、逆チョコがキッカケで家を建てることになりましたって言って審査通ると思ってんのか。
子供の瞳をまっすぐ見て「パパとママは逆チョコがキッカケで」って笑わずに言えるのかよ。噴き出さずに言えるのかよ。ふざけるのもいい加減にしろっつーの。こっちがヘコヘコしてりゃいい気になりやがって。