アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/170127
【晴】《26日の続き》
流しの獅子舞に似たものに、もっともらしい衣装と小道具を使った拝み屋の偽者が、突然大声で祈祷しながら家の中を踊りまくって金を要求する手口もあった。
手に持った拍子木や鐘のような鳴り物を力いっぱい叩きながら、まるで気が狂ったように訳の分からない祈りの文句を喚き散らし、踊りの形を借りて暴れ回られると、大抵の家では小銭を渡してしまうのも仕方がない。
驚いた子供がひきつけを起こした家もある位だから、その恐さは並ではないのだろう。
変わったのには、いきなり黙って入って来ると、「テメエ馬鹿野郎ふざけやがって、表へ出ろ」などと、前置きなしにケンカを売って来て、最終的に金を巻き上げるという手口だ。
金といっても、大抵は5円か10円程度の小銭だったから、門付けに施したつもりで、ほとんど訴える事はなかった。
むしろ被害が大きいのは押し売りの方で、普通に買えば10円か20円の品物を、10倍の100円とか200円以上で売りつけるのだ。
「おかみさんよ、大の男が時間を使って商品を広げさせられ、いりませんと言われて、ハイそうですかと荷物をまとめて引き上げられるかよ。この手間どうしてくれるんだ。エーッ」という感じで脅す。
頼みもしないのに勝手に荷物を広げ、あげくの果てには難癖をつけて凄まれると、女はおろか、気の弱い男だって買ってしまうかもしれない。
あの頃にも、今ほどではないが悪質な手口で金品を奪う人達がいたのだ。http://www.atelierhakubi.com/
流しの獅子舞に似たものに、もっともらしい衣装と小道具を使った拝み屋の偽者が、突然大声で祈祷しながら家の中を踊りまくって金を要求する手口もあった。
手に持った拍子木や鐘のような鳴り物を力いっぱい叩きながら、まるで気が狂ったように訳の分からない祈りの文句を喚き散らし、踊りの形を借りて暴れ回られると、大抵の家では小銭を渡してしまうのも仕方がない。
驚いた子供がひきつけを起こした家もある位だから、その恐さは並ではないのだろう。
変わったのには、いきなり黙って入って来ると、「テメエ馬鹿野郎ふざけやがって、表へ出ろ」などと、前置きなしにケンカを売って来て、最終的に金を巻き上げるという手口だ。
金といっても、大抵は5円か10円程度の小銭だったから、門付けに施したつもりで、ほとんど訴える事はなかった。
むしろ被害が大きいのは押し売りの方で、普通に買えば10円か20円の品物を、10倍の100円とか200円以上で売りつけるのだ。
「おかみさんよ、大の男が時間を使って商品を広げさせられ、いりませんと言われて、ハイそうですかと荷物をまとめて引き上げられるかよ。この手間どうしてくれるんだ。エーッ」という感じで脅す。
頼みもしないのに勝手に荷物を広げ、あげくの果てには難癖をつけて凄まれると、女はおろか、気の弱い男だって買ってしまうかもしれない。
あの頃にも、今ほどではないが悪質な手口で金品を奪う人達がいたのだ。http://www.atelierhakubi.com/