アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/170121
【晴】《20日の続き》
翌日いつものように登校すると、仁田山も岡島も先に来ていて、私の顔を見るなり「オース」と声を掛けて来た。
今までもそうだったが、前の日に大ゲンカしても翌日には大抵ケロッとしているから、今回もそんな調子だろうと思い、「オース」と気軽に声を返して忘れてしまった。
昼休みの給食が終わり、さて校庭に出てドッジボールでもするかと、仲間と連れ立って教室を出ようとした時、「渡辺と小野寺、あと家住と宮内、先生が講堂で呼んでるぞ」と、隣の組の荒木が迎えに来た。
(おかしいな、いったい何の用だろう)と、少し妙な感じもしたが、時々そんな事もあるので、小野寺達に声を掛けて講堂に向かった。
講堂に入ったとたん、私達は多勢の奴らに捕まり、床に敷いてあるマットの上に押さえ込まれてしまった。
一瞬の事で全く抵抗する事が出来なかったが、今考えてみれば、仁田山達の不自然な人懐こさを、変だと気が付かなければいけなかったのだ。
「ザマ見ろ、うまく捕まえた。ヤイッ、きのうはよくもむぐし刑にかけてくれたな。今度はこっちの番だ、覚悟しやがれ」
仁田山が岡島を連れて跳箱の影から走り出て来ると、身動きの出来ない私達に容赦のない「むぐし刑」をかけて来た。
私も他の三人も、「ワハハッワハハッ」と笑いながら、涙をボロボロ流して苦しみに苦しんだ。
体操部員の仁田山が、部員の仲間を助っ人に頼んで仕返しを計画したのだそうだが、昨日の今日やられるとは全然考えていなかったので、敵ながらあっぱれと感心しない訳にはいかなかった。http://www.atelierhakubi.com/
翌日いつものように登校すると、仁田山も岡島も先に来ていて、私の顔を見るなり「オース」と声を掛けて来た。
今までもそうだったが、前の日に大ゲンカしても翌日には大抵ケロッとしているから、今回もそんな調子だろうと思い、「オース」と気軽に声を返して忘れてしまった。
昼休みの給食が終わり、さて校庭に出てドッジボールでもするかと、仲間と連れ立って教室を出ようとした時、「渡辺と小野寺、あと家住と宮内、先生が講堂で呼んでるぞ」と、隣の組の荒木が迎えに来た。
(おかしいな、いったい何の用だろう)と、少し妙な感じもしたが、時々そんな事もあるので、小野寺達に声を掛けて講堂に向かった。
講堂に入ったとたん、私達は多勢の奴らに捕まり、床に敷いてあるマットの上に押さえ込まれてしまった。
一瞬の事で全く抵抗する事が出来なかったが、今考えてみれば、仁田山達の不自然な人懐こさを、変だと気が付かなければいけなかったのだ。
「ザマ見ろ、うまく捕まえた。ヤイッ、きのうはよくもむぐし刑にかけてくれたな。今度はこっちの番だ、覚悟しやがれ」
仁田山が岡島を連れて跳箱の影から走り出て来ると、身動きの出来ない私達に容赦のない「むぐし刑」をかけて来た。
私も他の三人も、「ワハハッワハハッ」と笑いながら、涙をボロボロ流して苦しみに苦しんだ。
体操部員の仁田山が、部員の仲間を助っ人に頼んで仕返しを計画したのだそうだが、昨日の今日やられるとは全然考えていなかったので、敵ながらあっぱれと感心しない訳にはいかなかった。http://www.atelierhakubi.com/