アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/170113 | アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草

アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/170113

 【晴】
 三学期に入って「仲良しクラブ」の初練習のあとに、先生のおごりで新年会が開かれた。

 会場が音楽室なのが気に入らなかったし、何とか口実を考えてサボろうとしたけれど、ストーブの上の大きなやかんから飲み放題のカルピスや、先生が家で用意した手作りのケーキにつられ、期待に胸をふくらませて参加した。

 ところが、カルピスは味が薄くて酸っぱいし、ケーキは出来そこないのビスケットみたいで美味くない。

 おまけに会の余興だからと、独唱と合唱で4曲も歌を歌わされて、もうがっくりして音楽室を出た。

 ほとんど毎日、ゲップが出るほど歌の練習をさせられているのに、いったい何が面白くて、その上にまた歌を歌わなければならないのか、私には楽しそうに歌っている仲間の気が知れなかった。

 そういえば相場昭子さんに、「コーラスと渡辺君の組み合わせって、全然合わないよ」と、鼻の先で笑いながら言われた事があったが、もしかしたら当っているのかもしれない。

 私はその頃、先生のすすめで入部した文芸部の活動の方に強くひかれていたので、コーラスの練習には少し負担を感じていた。

 しかし、今はどうか知らないが、私が小学生の頃は、そんな理由で練習をサボるどころか、コーラスをやめる事など出来るはずもないので、結局は両方を続ける以外になかった。

 文芸部が中心になって作成した文集の中には、市のコンクールで賞に入ったものもあり、結構面白かったので続いたのだろう。

 三学期には学芸会があるので、仲良しクラブの練習は当面そこに焦点を絞って、私の気持ちなど関係なく、日に日に厳しさを増していったが、そうなると不思議なもので、毎日の練習が段々と楽しくなって来て、当日が待ち遠しくなったものだった。http://www.atelierhakubi.com/