アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/161220
【曇】
男勝りの京子ちゃんは、大抵の事を男と一緒にこなしたけれど、竹馬だけはあまり得意ではなかった。
竹馬遊びは何といっても冬が一番多かったのは、材料の竹を採るのが冬だったせいだろうか。
長さを揃えるために切り捨てた先の方は、子供でも買えるほど値段が安く、二本を並べて節の間隔が出来るだけ合っているのを選ぶのが、良い竹馬を作る一番大切な事だ。
足を乗せる台は、どこの家にも沢山あった薪の束の中から、なるべく太さの揃ったものを選び、一方の端を針金で縛り、もう一方で竹をはさみ、少し斜めになるような角度で、針金を十文字にかけて固定すると出来上がりである。
上手に乗りこなす自信のない奴は素足で、得意な奴は靴のまま乗った。
全く乗れないミソッカスは、足乗せを一番下までおろし、ペタンと地べたにくっつくようにした竹馬に乗って、気分だけを味わっていたが、その姿は何ともぶざまで情けなかったので、皆の笑い者になった。
何でも器用にこなす京子ちゃんの竹馬が、このペタンコ竹馬だったから、乗るのに塀の上からでないとダメなほど、高く乗れた私には、ペタペタと地面をずって行く京子ちゃんを上から見下ろしては、薄ら笑いを浮かべながら、何とも言えない優越感を味わった。
その態度が気に入らないと怒った京子ちゃんは、私の竹馬の足を思い切り蹴っ飛ばしたので、私はもんどりうって地面に転げ落ち、目から星が出るほど痛い目にあったからたまらない。
全速力で逃げる京子ちゃんを追い駆け、土足のまま家に駆け込んだのを、私も土足のまま飛び込んで追い詰めると、びっくりしている叔母に構わずに2つ3つぶっ飛ばし、ウワンウワン泣いたところで逃げ出した。
取っ組み合いのケンカをしても、どうせ明日はまた一緒に遊ぶのだから、叔母も母も、どっちが泣こうが喚こうが、一向に気にする事はなかった。http://www.atelierhakubi.com/
男勝りの京子ちゃんは、大抵の事を男と一緒にこなしたけれど、竹馬だけはあまり得意ではなかった。
竹馬遊びは何といっても冬が一番多かったのは、材料の竹を採るのが冬だったせいだろうか。
長さを揃えるために切り捨てた先の方は、子供でも買えるほど値段が安く、二本を並べて節の間隔が出来るだけ合っているのを選ぶのが、良い竹馬を作る一番大切な事だ。
足を乗せる台は、どこの家にも沢山あった薪の束の中から、なるべく太さの揃ったものを選び、一方の端を針金で縛り、もう一方で竹をはさみ、少し斜めになるような角度で、針金を十文字にかけて固定すると出来上がりである。
上手に乗りこなす自信のない奴は素足で、得意な奴は靴のまま乗った。
全く乗れないミソッカスは、足乗せを一番下までおろし、ペタンと地べたにくっつくようにした竹馬に乗って、気分だけを味わっていたが、その姿は何ともぶざまで情けなかったので、皆の笑い者になった。
何でも器用にこなす京子ちゃんの竹馬が、このペタンコ竹馬だったから、乗るのに塀の上からでないとダメなほど、高く乗れた私には、ペタペタと地面をずって行く京子ちゃんを上から見下ろしては、薄ら笑いを浮かべながら、何とも言えない優越感を味わった。
その態度が気に入らないと怒った京子ちゃんは、私の竹馬の足を思い切り蹴っ飛ばしたので、私はもんどりうって地面に転げ落ち、目から星が出るほど痛い目にあったからたまらない。
全速力で逃げる京子ちゃんを追い駆け、土足のまま家に駆け込んだのを、私も土足のまま飛び込んで追い詰めると、びっくりしている叔母に構わずに2つ3つぶっ飛ばし、ウワンウワン泣いたところで逃げ出した。
取っ組み合いのケンカをしても、どうせ明日はまた一緒に遊ぶのだから、叔母も母も、どっちが泣こうが喚こうが、一向に気にする事はなかった。http://www.atelierhakubi.com/