アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/161215
【曇】《14日の続き》
時間を見計らって出掛けたのだが、劇場に着いてみると本編はまだ終わってなかった。
入口の左脇の切符売場で、母が入場券を買っている間に、私達は断って中に入り、ロビーのイスに座って中が一区切りするのを待っている内に、どこからともなく漂って来る焼きイカの匂いにつられ、ロビーの両脇についている階段の一方を上って行った。
末広劇場の売場は二ヶ所あって、一ヶ所は一階の正面に向かって左側の通路の奥、もう一ヶ所は二階のロビーだった。
イカを焼くのは一階の売場だけで、それを二階の売場と場内に持ち込んで売っている。
もし買うのなら一階の方が良いのだが、その売場からはスクリーンが見えてしまうので、後半の一番良いところをチラッとでも目にするなんて、絶対に嫌だったから、わざわざ二階の売場に行ったのだ。
姉二人と私そして弟の四人の分だけ買い、「あとで母がまとめて払います」と上の姉が言うと、「ハイ分かりました。まいど有難うございます」と顔見知りのおばさんが笑いながら御愛想で答えた。
私達がイカをほ〃ばっていると母が上がって来て、「今、下の売店にもお願いして来ましたけれど、家の者の注文はつけておいて下さい。帰り際にお払いしますから」とおばさんに言った。
おばさんは「ハイ、受け賜りました。いつもいつもすみません。今夜はごはんはお済みですか」と尋ねたので、母は「ハイ、それでも帰りに脇で夜食でもと思っているんですよ」と答えた。
「それじゃあおでんは具を足さなくってもよろしいでしょうか」
おばさんは我が家が多人数で来ているのを知っているのだろう。
「いいえ、どうせみんなお腹を空かせているでしょうから、お酒もおでんも好きなだけ出して下さいな」と答えた。http://www.atelierhakubi.com/
時間を見計らって出掛けたのだが、劇場に着いてみると本編はまだ終わってなかった。
入口の左脇の切符売場で、母が入場券を買っている間に、私達は断って中に入り、ロビーのイスに座って中が一区切りするのを待っている内に、どこからともなく漂って来る焼きイカの匂いにつられ、ロビーの両脇についている階段の一方を上って行った。
末広劇場の売場は二ヶ所あって、一ヶ所は一階の正面に向かって左側の通路の奥、もう一ヶ所は二階のロビーだった。
イカを焼くのは一階の売場だけで、それを二階の売場と場内に持ち込んで売っている。
もし買うのなら一階の方が良いのだが、その売場からはスクリーンが見えてしまうので、後半の一番良いところをチラッとでも目にするなんて、絶対に嫌だったから、わざわざ二階の売場に行ったのだ。
姉二人と私そして弟の四人の分だけ買い、「あとで母がまとめて払います」と上の姉が言うと、「ハイ分かりました。まいど有難うございます」と顔見知りのおばさんが笑いながら御愛想で答えた。
私達がイカをほ〃ばっていると母が上がって来て、「今、下の売店にもお願いして来ましたけれど、家の者の注文はつけておいて下さい。帰り際にお払いしますから」とおばさんに言った。
おばさんは「ハイ、受け賜りました。いつもいつもすみません。今夜はごはんはお済みですか」と尋ねたので、母は「ハイ、それでも帰りに脇で夜食でもと思っているんですよ」と答えた。
「それじゃあおでんは具を足さなくってもよろしいでしょうか」
おばさんは我が家が多人数で来ているのを知っているのだろう。
「いいえ、どうせみんなお腹を空かせているでしょうから、お酒もおでんも好きなだけ出して下さいな」と答えた。http://www.atelierhakubi.com/