アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草/161124
【晴】
食パンを三角に切って黒蜜に浸し、串に刺したのが、正門前のパン屋で5円で売っていた。
給食は一日おきだったから、二日に一度は弁当を持って来なければならないのだが、何かの事情で持って来られない時には、外でパンを買っても良い事になっていたので、私はそれを良い事に、弁当代わりのパンだと言って黒蜜パンを教室に持ち込み、羨ましがる仲間に見せびらかしながら食べていた。
「ああっ、ずりいぞ。そういうの教室に持ち込んじゃわりいんだぞ。お菓子を学校に持って来ちゃわりいんだぞ」
宮内が口をとがらせて抗議した。
「お菓子じゃねえもんパンだもん。パンは弁当にしていいんだもん」
「そんなのパンじゃねえもん。ミツのついたパンなんかパンじゃねえもん。そりゃお菓子だもん」
「んじゃあパンにジャムつけたらパンじゃなくなるんかよ。パンにアンコやクリーム入れるとパンじゃなくなるんかよ」
我ながら見事な反論だと思った。
「アンパンやジャムパンは串に刺さってねえもん。串に刺さったパンなんかねえもん」
相手もなかなか引き下がらなかった。
「んじゃあイモフライはお菓子かよ。ヤキイカはお菓子かよ」
「ダンゴはお菓子だんべ。ベッコ飴だってお菓子だんべ。みんな串に刺さってるだんべ」
「へえー、それじゃあウナギの蒲焼はお菓子かよ」
「ウナギの蒲焼はお菓子じゃねえもん」
「おめえさっき串に刺さってるもんは何でもお菓子だって言ったじゃねえか」
「全部お菓子だなんて言ってねえもん。お菓子が多いって言ったんだもん」
「うるせえなおめえ達、どっちだっていいじゃねえか。早くメシ食っちゃえよ。そろそろ先生が来るぞ」
仕方がないので宮内に一本やった。http://www.atelierhakubi.com/
食パンを三角に切って黒蜜に浸し、串に刺したのが、正門前のパン屋で5円で売っていた。
給食は一日おきだったから、二日に一度は弁当を持って来なければならないのだが、何かの事情で持って来られない時には、外でパンを買っても良い事になっていたので、私はそれを良い事に、弁当代わりのパンだと言って黒蜜パンを教室に持ち込み、羨ましがる仲間に見せびらかしながら食べていた。
「ああっ、ずりいぞ。そういうの教室に持ち込んじゃわりいんだぞ。お菓子を学校に持って来ちゃわりいんだぞ」
宮内が口をとがらせて抗議した。
「お菓子じゃねえもんパンだもん。パンは弁当にしていいんだもん」
「そんなのパンじゃねえもん。ミツのついたパンなんかパンじゃねえもん。そりゃお菓子だもん」
「んじゃあパンにジャムつけたらパンじゃなくなるんかよ。パンにアンコやクリーム入れるとパンじゃなくなるんかよ」
我ながら見事な反論だと思った。
「アンパンやジャムパンは串に刺さってねえもん。串に刺さったパンなんかねえもん」
相手もなかなか引き下がらなかった。
「んじゃあイモフライはお菓子かよ。ヤキイカはお菓子かよ」
「ダンゴはお菓子だんべ。ベッコ飴だってお菓子だんべ。みんな串に刺さってるだんべ」
「へえー、それじゃあウナギの蒲焼はお菓子かよ」
「ウナギの蒲焼はお菓子じゃねえもん」
「おめえさっき串に刺さってるもんは何でもお菓子だって言ったじゃねえか」
「全部お菓子だなんて言ってねえもん。お菓子が多いって言ったんだもん」
「うるせえなおめえ達、どっちだっていいじゃねえか。早くメシ食っちゃえよ。そろそろ先生が来るぞ」
仕方がないので宮内に一本やった。http://www.atelierhakubi.com/