魔は実際、実に多く存在している。
魔と言えば人間に呪いをかけてくる恐ろしく見えない存在であると思っているかもしれないが、実際は人間であった者の生き方が悪すぎて魔堕ちしているものがほとんどである。
魔にはいくつもの種類があって種類ごとランクがあり、諸悪い者ほど壕がついてゆく。
ざっくり分類を話しておくと、業が極んだ業魔(ごうま)、たわかしイタズラが大好きな諸愚魔(しょぐま)、目魔、女魔(男食い悪魔)、黒雲の姿をしたコウモリ悪魔などがある。イラストなどで表現されるおなじみの悪魔のイメージは、コウモリ悪魔かもしれないが、あれはごく一部である。
死に身の悪魔を潰やす(ついやす)のは簡単である。
潰やす方法は悪魔によってきっちり決まった方法がある。例えばいにしえの悪魔であるドラキュラには木の杭、狼男には銀玉入りの鉄砲という伝説があるが、これは事実であり、私は何匹もドラキュラと狼男を潰やしてきた。これらとて初身はすべて人間なのである。
ここまで書けば賢い人間には察しがつくと思うが、生き身の魔というものが存在しており、ほとんどが所業の悪い者、つまり夜に潜む者や凶悪犯罪者の類である。
この生き身の魔は本当に潰やしにくい。
イサナはずっと張りつかれて困り果てている。
大原則として、魔仕切り書または契約書を狙った人間の背中に貼り付け、魔の理に従って人間を苛むべきであるが、生き身の人魔はこの理を分かってか分からずか、魔の理を一切無視するように契約書も仕切り書も破棄して私を苛め続けるのである。
注:契約書は相手に押しつける時に悪魔が使うもの、仕切書は同意が必要な書なので、人間が出す時には仕切書を使うこと
魔については大変詳しくなったゆえ、今後皆さんが困らぬようにするため細々と記述してはゆくが、とにもかくにも今現在魔に憑かれているような気がして困っているならば、背中に契約書が付いているはずであるから、それを想念で剥がして「契約破棄」とその紙にイメージで上書きして破ってしまうといい。これで一方的な契約にならず、あなたは契約しないと魔に対して意思をはっきり示したことになり、理解した魔は逃ぐはずである。
魔はまぁまぁ賢い。そうして嫌というほどしつこい。
でも、ならず者たちは長々と悪の想念を持つ人間も善良な人間をも一方的に喰んできたのだから、このイサナが出てここへ露わにしたからには理を改めて契約をきちんと守ることを心に誓うといい
令和7年11月19日
イサナ記
<現代人魔 分類参考>
・悪業極むとなる業魔
・人格の根本が腐った権魔 ごんま
・欲が極んでなる目魔
・人のふりした人魔 じんま
・男狂いの女どもがなる女魔 にょま
・女狂いの男どもがなる男魔 なんま
・他人を愚弄しすぎるとなる諸愚魔
・自分への苛めを恨み極むとなる愚魔
・すべて取り込んだら全魔
・全魔が極んだら全全魔
・全部全部は最後魔