Breakthru ブレイクスルー

クレジット:Queen (作詞作曲 フレディ・マーキュリー、ロジャー・テイラー)

 

ザ・ミラクル ザ・ミラクル
1,982円
Amazon

 

『ザ・ミラクル』の6曲目に収録されています。

 

Breakthru = 突破口 の意味。

 

”窮地を打破しなくては!”

”関門を突破しよう!”

と歌う曲です。

 

 

ブルー音符ブルー音符ブルー音符

 

 

初まりはムーディーで穏やかで。

 

どんな曲が始まるんだろう?と期待させたのち

 

"...breakthru ... now!!" 

 

を皮切りにベースとドラムが相まって、爽やかに走り出すような曲です。

(私の中のイメージはPVも手伝って、という感じがします。)

 

 

蒸気機関車が走るPVの発想はロジャーのアイディアからのようです!

曲とぴったりです!!

このPVはニーンバレー保存鉄道を2日間貸切り撮影したそうです。

列車は「ミラクル・エクスプレス」と名付けられ列車の側面に大きく赤字で書かれています。

 

 

列車が音楽に合わせて壁を突破する様子を撮るために、ポリエチレンのブロックを何度も何度も壊しては組み直し・・を繰り返していたんですよねショック汗

 

 

暑い中だったようだから大変あせる

でも列車の上で感じる風は爽快で、とても楽しかったようです。

 

 

「フレディは色んなアイディアを出して、デビーと細かな打ち合わせをしていたよ」とロジャーが言っていたり、

 

 

メイキングの映像を見てもみんなにこやかでとてもリラックスしていて、楽しく撮影をできたよ!と満足気に話していましたほっこり音譜

 

 

冒頭から出てくるとびきり綺麗な女性は、ロジャーの彼女デビーレングさんですキラキラ

ロジャーがコメンタリーで「俺の彼女だ」とさらりと言っていました。笑

 

 

この頃はブライアンはスキャンダルで、フレディは病状のことで、マスコミから追い回されていたような時だったのでこの撮影は良い気分転換にもなったのでは、と思います。

 

 

⬇︎メイキングやインタビュー

よくよく考えると列車は割と速い速度で走っていて、その上で動き回るフレディたち、すごいです。

時速は30マイル〜60マイル(時速約50キロ〜95キロほど?!)

 

 

そして、(やはり?)保険がかけられていたということで・・・

その額200万ポンド(・・当時1989年の為替が1ポンド=225円とすると・・4.5億円?!)

 

 

また、この撮影だけで30万ポンド(6750万円程)を使っていたそうです。

 

 

この数字合ってる??と少し不安にもなるくらい・・。

動くお金の桁が違います真顔

 

 

ある意味命がけの上、ものすごく大掛かりなPVだったということですね。

 

 

(情報はwikipediaから)

 

 

ブルー音符ブルー音符ブルー音符

 

 

この曲、2つの曲を1つにしたものだとご存知でしたか?

私は最近まで知りませんでした・・にやり汗

 

 

ムーディなイントロ部分はフレディの作った曲。

 

 

曲が切り替わる" I wake up "からはロジャーの作った曲。

 

 

全く違う曲が合体されています。

フレディは約30あったトラックの中から選び出したとインタビューで話していたそうです。

 

 

この曲、聴く限りは別に他でもありそうな普通の曲かな??と思っていたのですが、、

 

 

好きな曲 と言われる方が多い気がしていて、よくよく知っていったり歌詞をみると、いい歌詞だなぁー!!!と思うようになりました。

 

 

イントロ部分とそれ以降の歌詞、どちらも良いです。

 

 

ブルー音符ブルー音符ブルー音符

 

 

まずイントロ部分のフレディの曲むらさき音符

デモテープが残っていました。

A New Life is Born という曲です。

 

(一部メロディにラブオブマイライフやマーチオブブラッククイーンのメロディに似た箇所があると感じました。

それは全く意図されてもないと思いますが同じコードやメロディを使いやすいというのもあるのかもしれないとも思いました。)

 

 

歌詞を引用します。

 

 

When love breaks up
When the dawn lights wakes up
A new life is born

恋に破れ

夜明けの光で目覚めた時

新しい生活が始まる

〜ここまでがブレイクスルーのイントロ〜

There's no waters blowing down
There's no rain (ad-libbed) to the sea
Get lonely

水の湧き出す水源もなく

海へ流れる雨も降らない

ひとりぼっちの気分だ


Dee-dee-dee
Dah, day, dah
Dee-dee-dee, by the sea
There's muddy waters
In my hands
Across the (ad-libbed)
Dah, dah, dah

濁った水がただ手の中に残っているだけ

 

(すみません、、全然うまく訳せません・・えーん 難しくて・・ 詩的な表現な気がします。)

 

 

waterを複数形で使っているのもきっと意味のあること。

また、"muddy waters"という後半にある歌詞。

関連があるかはわかりませんが "muddy the waters" というフレーズがあるようで、それには「事態を混乱させる」という意味があるようです。

 

 

私の和訳は酷すぎますが、、元々の英語の歌詞だけをご覧いただくと、なんとなく全体の曲の意味はわかる気はします。自分の解釈やイメージだと・・

失恋、悲恋の歌。

新たな気持ちで前を向かなきゃと思いつつも

乾いた心を歌っていて、少しまだ心は晴れない様子なのだろうか

と感じさせられます。

ここにきて、フレディ作のNevermoreの詩も思い出されました。

 

"

The seas have gone dry and the rain stopped falling

海は干上がり雨も枯れ果てて

"

 

という歌詞がありましたよね。

こちらもファルセットで歌う短い曲ながら詩的で好きな曲です。

 

 

その頃の心を表現している様子が、この曲の表現と似ていてダブります。

 

 

ブルー音符ブルー音符ブルー音符

 

 

Nevermoreは『QueenⅡ』に収録されていて1974年に作られています。

そして、"March of the Black Queen"へと続いていくのです。

 

 

この曲"A New Life is Born"は1989年に作られたものだとすれば、フレディは曲の感じといい歌詞といい、そんな昔のものに(意図的にか無意識的にか)回帰している様な、辿っている様な・・そんな気もしてしまいました。

 

 

それに、フレディの感性、感じるものというのはきっと当時からぶれずに変わらないものなんだろうな、とも感じました。

 

 

ブルー音符ブルー音符ブルー音符

 

 

さらに考えを進めていくと、、

 

 

この曲の冒頭しかアルバムには採用せず、その後は全く違うロジャーの曲を繋げていったことにも何かフレディの考えがあったのだろうか?と思わされます…

 

 

続くロジャーの作った曲は、フレディの作った曲の後半の雰囲気とは全く違って、希望に満ちていて明るいんです。

 

 

I wake up, feel just fine
Your face fills my mind
I get religion quick
'Cos you're looking divine
Honey you're touching something
You're touchin' me
I'm under your thumb, under your spell

目覚めたら気分がいいんだ

君の顔が心を満たす

すぐに入信したくなってしまうよ

だって君は神々しいんだ

君は何かに触れている

僕の心に触れたんだ

もう僕は君のいいなり

君の魔法にかかってしまった

 

 

この歌詞の続きにはさらに甘い言葉が続きます。

 

 

ロジャーがこんな言葉の並べられたラブソング的な歌詞を書くのって珍しい気がします。

照れが出て書かなそうなのに!!

 

 

恋人のデビーさんにそこまで熱をあげていたということ?!

 

 

でもでも、ロジャーがこの曲を書いたのがいつだったかはハッキリ分からないのでデビーさんが実際に関係しているのかもわかりません。

 

 

そして

 

 

If I could only reach you
If I could make you smile
If I could only reach you
That would really be a breakthru

君にただ近づけたら
君が笑ってくれたら
君にただ近づけたら
本当に突破口になる 

 

 

と歌っています。

 

 

ここ、【仮定法】を使ってるんです。

 

 

文法的に仮定法を使う時は

 

 

【事実には起こりにくいこと、起こり得ないこと】

 

 

という意味合いも混じっているんではなかったでしょうか?

 

 

なので、彼女にお近づきになれる可能性はほぼないんだけど、、と作り手は思っている、と想定します。

 

 

でも、

彼女がそばにいてくれたら、絶対に切り抜けられるのになぁ〜!!という強い希望。

 

 

…ということは、、ロジャーにしてもちょっぴり悲恋の歌。。

 

 

…だとしてもフレディの「分かってるんだけど暗闇からまだ抜け出せないよ、、ショボーン」のような雰囲気の曲よりは、断然希望に満ちている感じがします。

 

 

難しいけど、今は突破しなきゃいけないんだ!と強い気持ちを持って、もう前を向いている感じがします。

 

 

(彼女は手に入らないかもしれないけれど)彼女を思う心が自分を強くして突破口へと導いてくれるんだ!!

というような感じにも聞こえます。

 

 

ブルー音符ブルー音符ブルー音符

 

 

フレディは自身の曲にロジャーの曲を使ってそのような繋げ方をするなんて当時とは変わった部分なんじゃないか⁇と思えてきました。

 

 

それとも、自分の思考をそんなふうに変えたいフレディがいたのか。

ロジャーの力を借りて。。

 

 

ブルー音符ブルー音符ブルー音符

 

 

当初フレディは、QueenⅡのサイドブラック、ボヘミアンラプソディ…などのように自分で作った曲を組み合わせて作っていくことが多くありましたが、

 

 

自分とは違った性質の誰かの曲と組み合わせることで、フレディの心の中の突破口自体が開く手助けにもなったのではないかな?とさえ思えてきました。

 

 

1つの曲として、フレディ自身だけで作る曲とは全然違う曲に良い意味で変わっているものだと思いましたほっこり

 

 

フレディのもともと持っている世界観だけでも相当素晴らしいですが、反面悩んだり葛藤する部分でもあったものが、メンバーの力を借りて今まであった自分の中にも取り込んでいくことでフレディの世界も広がっていったのかなぁ…

なんて気もしてきました。

 

 

もちろんフレディ自身の内側のことだけでなく、仕事として、音楽としても、広がりを見せていているという意味です。

 

 

ミラクルってそんなアルバムでもあるかもしれません。

 

 

ブルー音符ブルー音符ブルー音符

 

 

歌詞のこちらをお借りし、ご参照ください。

https://www.google.co.jp/amp/s/sentimentalblvd.exblog.jp/amp/238902743/