またとても久し振りに、はっきりと思い出せる夢を見たな…
最近眠りが浅いみたいで、断片的な夢は結構見てる自覚あるんだけど。
どれもこれも記憶に残らない程度の、内容もめちゃくちゃなもんだからな…
でも、今朝見たのはやたらと記憶に残る夢だったな。
雪山って悪夢率高いよね、とか少し前の夢オチでも書いてるけど、本当にそう。
今回は雪山ではないけれど、雪が降っていた。
これから夏になる所だっつーのに。
自分の中で雪にトラウマでもあるんだろーか。まあ雪山は嫌いだけど。
あとは、そう、これもいつも疑問だけど。いや何となく理由は解るのだけれど。
夢の中の自分は、本当に、一体こいつは誰なのか、っていうくらい、
感情を露に生きているということ。
それはきっと、自分がひたすらに隠したい、本心なのだろうけれども。
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最初は、地震だと思った。
暗い室内が大きく揺れた。
その後も、短い間隔で何度か大きく揺れる。
これが本震の前触れだったらやばいな、と緊張が高まったものの、
同じ室内にいる人物は涼しい顔をしたまま、窓際の椅子に座っている。
灯りの少ないこの部屋はどうにも暗い。窓の外は真っ暗だ。
そのうちに、窓の外が少しばかり明るくなった。
そこで初めて、トンネルを抜けたのだ、ということを理解した。
列車に乗っていたのか。だから、あんなに揺れたのだ。
ほっと安堵の息を吐いたのも束の間、
この列車は何処へ向かっているのだろう、という不安に駆られた。
夜明けのような、日没後の夕闇のような。
窓の外の世界は薄暗かった。
列車はやがて、静かで不気味な街の中へと入っていく。
薄暗闇の中に浮かぶ、人影の全く見当たらない街並みは恐ろしかった。
止まらないで、どうか。
この街に囚われるのは何故だか、心底恐ろしい。
窓際の椅子に座っていた人物が、新聞のようなものを寄越してきた。
列車が大雪で立ち往生してしまったと書かれていた。
列車の中に閉じ込められ、逃げることもできず、10組近くの家族が凍死した。
痛ましい事故の記事に顔を顰めつつ、しかし一点に目が釘付けになる。
見覚えのある名前が、そこにあった。
もう一度、記憶の中の名前を思い出そうと試みる。
苗字は、合っている。下の名前は、こうだったか。漢字はこう書くのだったか。
多分、同じ名前だ。
その人のことが簡潔に書いてある。
それを読んで確信した。間違いない、あの人だ、と。
もう随分と昔のことになってしまったけれど、
確かに自分が尊敬するその人であると、判ってしまったその瞬間に、泣き崩れた。
ああ、どうして。
どうして、こんなにも悲しい。
きっと当時幼かった息子さんは、もう大きくなっているのだろう。
けれども、夢の中のあの人は、自分が知る当時のままで。
幼い息子さんと共に凍えてしまったのだと思うと、尚更悲しかった。
くしゃりと記事の紙を握り締めて、その場に蹲り、ひたすらに泣いた。
ただただ悲しかった。
圧倒的な喪失感が、まるで降り積もる雪のように、
自分の頭の中までも真っ白に塗り潰していった。
まるで、凍えるように寒かった。