「ご注文お決まりですか?」
「あ、はい。ええと。この緑の箱と、」
「こちらの箱の色はお選び頂けますので、中身は関係無いんですよ」
「あ、そうなんですか。えと、それじゃ、ひょっとして、中身って好きに組み合わせることできます?」
「はい、大丈夫ですよ」
「それはよかった。2つで中身が被ってたんで、どっちか変えたくて。それじゃ、えっと・・、・・・あれ」
「どうかなさいました?」
「えっ・・今見てたやつ、・・・今見てた箱の中身が欲しかったんですけど。なんで変えちゃったのかな・・・」
「あ、そうでしたか。申し訳ありません」
「ええと、それじゃあ・・今さっきディスプレイされてた、あの、延べ棒みたいなやつと」
「はい」
「えっと・・白い、なんか丸と四角が組み合わさったみたいなやつと」
「ああ、あれはタイマーですね。時計なんです」
「(全然見えねぇ)・・・あと、なんて言ったらいいのかな、その、ねじ山?みたいな形のやつなんですけど」
「ねじ山・・ですか?」
「ううん、だから・・・丸くて、周りがギザギザしてるみたいな・・」
「ちょっと、それは、難しいですね」
「ええ・・・あともう一つあったんですけど・・・どんなんか忘れちゃって。すみませんけど、何が置いてありました?」
「申し訳ありませんが、分かりかねます」
「ええ・・困ったなあ・・・(なんで変えたんだよ・・・)ちょっと、じゃあ、ディスプレイ変えた人呼んでください。見てたのに、一瞬で変えられちゃったんだから」
「少々お待ちください」
「はあ・・・(この人が支配人かな・・カウンターに何置いてんだろ)」
("Happy birthday"のメッセージカード付き・・プレゼントね)
(高そ。ああ、あそこで食事してる2人か。学生と淑女ねえ・・)
(若いくせして、背伸びしてこんな高級なトコで食事の上にプレゼントまでご準備しちゃってさ・・大丈夫なんかね・・・)
(照明暗くなったけど・・まさかあの歌が流れ始めたりしないよな)
「・・・あれ」
振り返ると、焼き菓子の並んでいたショーケースは暗くなっていた。
※土産に買って帰ろうとした菓子が買えない話
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最近夢を見るターンだから夢オチばっかだな。