何と言うか。

昔は、それこそ未成年の頃は、

自分の感情を爆発させるのが上手かったんじゃないかと、そう思う。

言い方を変えると、

それは単に色々な意味で未熟だというだけで、

大人になったら、その感情をうまく抑える術を身に付けるのが普通であって、

だから本当は、至極当然と言うか、自然なことなのかも知れないが。

 

昨夜は、ていうか日付を跨いでいたから正確には今朝だけど、

やらなきゃならない仕事があったのにちょっとした邪魔が入って、

やる気がなくなって寝落ちして、

起きたら2:00で、あーでも朝までにやらんとなぁと、

そこから仕事をぼちぼちとやり始めて、

結局終わったのが3:30くらいで。

 

これも歳とってからの変化だよなあと思うのは、

身体がいくら疲れ切っていても、

中途半端に脳が覚醒してる状態だと寝つきが悪くなったこと。

少し前までは、疲労が押してればそれこそ気絶のように、即寝れたのだけど。

あー、これはなかなか寝れないやつ、と最近は判って来たので、

prime musicのスリープタイマーを付けて、

ホーム画面の「おすすめ!」に出ていたあいみょんさんの『マリーゴールド』という歌を聴いてみたらどっかで聴いたことある曲で、

あーこれだったんかーと思いつつ聴いてみたら、

なんとなくメロディーが気分に合ってそうだったので、それを選んで。

目を閉じて眠りにつくまで、妄想の世界へレッツ・ドン。

 

一周目は歌詞を聴いて、情景を思い浮かべて。

その情景の中にいるのは誰だろうと、歌に合わせて忙しなく巡る風景の中で、

ひたすらに探してゆく。

揺れるマリーゴールドの花畑の中で、麦わら帽子を被って。

こちらを振り向く笑顔は、一体誰のもの。

"あれはまだ空が青い夏のこと"

その歌詞だけで、一瞬にして心は彼方の世界へ飛んでゆく。

青い空を見上げて、見上げて、その青の尊さに、涙を流すのは誰だ。

 

大体の歌のストーリーを理解した、二周目。

唐突に青と黄色の情景の中に探し人が現れて、急速にイメージが構築されていく。

眠りたいはずなのに、脳は意思とは真逆にフル回転を始めて、

頭がぼんやりと熱を帯びる。

真っ青な、どこまでも澄んだ青空の下で、

黄色の花畑の中でくるくると回る彼女を、穏やかな表情で見つめる彼が。

 

彼が。

彼が。

彼、が、、

 

 

 

 

 

イヤホンを引き抜いて、その辺へ放り投げた。

 

回転数の高い脳ミソは興奮真っ只中で、まだ暫く眠れそうにない。

いつもならぼろぼろ涙が出るのに、それも無いから、酷くすっきりしない気分で。

身体は疲労困憊ですぐにでも休みたいのに、脳ミソがそれを許さなくて。

逃げ場を失ったアレソレが、頭の中で暴れ回っているような、

そんな、何もかも中途半端で、腹立たしい感覚。

 

考えたいのに、考えがまとまらない。

イメージが出来上がる前に、足元から崩れてしまう。

若しくは、頭の中の第三者にぐちゃぐちゃに塗り潰されてしまうような。

 

でも、はっきりと思い出せるのは、

忘れたくないと願ったのは。

彼は、ずっと正しい在り方をしていたんだと、そういうこと。

割と前からの付き合いだけど、

自分は彼との距離はあんまし上手く掴めてなくて。

彼というキャラクターもよく分かんなくて。

最近は、どんどんと影が薄くなってたくらいなんだけど。

 

でも、唐突に理解したのだ。

彼は、ずっと正しかったのだと。

彼の浮かべる少し寂しそうな笑顔も、彼が彼女の側に立ち続ける理由も。

彼の献身の全てを、ようやく理解できたような気がして。

 

 

ーー今やっと、涙が出た。