登場人物:
…眼鏡のおじさん
…料理人の女性(レズ)
…二人と親しい少女
※選択できるキャラは少女のみ。髪の長さは肩にかかる程度。
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チュートリアル:
まずは四角い箱庭でキャラクターの動作に慣れましょう。
箱庭を歩いていくと、どんどん中身が変わっていきます。
少女の周りは明るいですが、離れるにつれて暗くなります。
暗くなると敵が出現するので、あまり暗くしないように気を付けてください。
進めていくと、光の筋が見えることがあります。
光の筋を辿っていくとサークルがあります。
明るい時に乗ると力を与えてくれますが、暗い時に乗ってはいけません。
ゲームを開始しますか?
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少女はてくてくと住宅街の細い道を歩いていく。
どこかの家からカレーの匂いがした。チキンカレーだろうとアタリをつける。
どうやら道に面したお店のようだ。
店主の男性の声は聞こえるが、顔は見えなかった。
道を進んでいくと、住宅街の裏手に、岩の突き出た崖があった。
急に剥き出しになった自然と、人工物の住宅街が融合しているようだ。
少女は華奢な見た目に反して、崖をひょいひょいと軽々登っていく。
ふと見上げた空は星空だった。ついさっきまで明るかったはずなのだ。
おじさんの話を思い出して、「あ、いけない」と少女は思う。
暗くなると危ないから、とは言い含められていた。
頂上の岩には白い線のようなものが光っていて、その先へと続いている。
辿っていくと円陣のようなものがあった。人一人が上に立てる程度の大きさで、真ん中は白い円の形に光り輝き、その周りは虹色に光っている。
好奇心に負けて少女は乗ってしまう。
途端に少女の周りすら暗くなり、円陣は赤く光り始めた。
「なにこれ」
少女は慌てて円陣を降りて、崖と地続きになっていた建物の方へよろよろと歩いていく。
建物の入り口に、大きなガラスがはめ込まれた扉があった。
夜だからガラスが鏡のように見える。
少女の背後に、少女の影のようなものが一度映った。
それは赤い炎を纏っているようで、影の炎が燃え移り、少女の足が燃え始めた。
黒い炭になるのではなく、燃えた部分から消えていく。
熱い、熱い、と少女は身をよじる。
ガラス扉に自分の姿と、足元に少女の腰の辺りに頭がくるくらいの、大きな赤い鳥の姿が映った。しかし、いくら見回しても鳥などいない。
炎はどんどん上がってくる。
腰が燃え、上半身が燃え、頭も燃えた。
ただ熱かった。そして炎と共に恐怖が少女を包み――
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GAME OVER
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色彩の欠けた灰色の画面に、主張の薄いクリアブルーが差し込まれる。
パネルのようにパタパタと裏表が入れ替わり、画面中央にタイトルと少女の横顔が現れる。
灰色と水色の冷たいそれは、不思議と魅力的だった。
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ゲームを開始しますか?